K-1、Krush王者まで何年? 若きプロデビュー勝者たちが目指す険しい道
4月5日(日)、都内にて4日、開催されたK-1グループのキックボクシングイベント『KHAOS.10』(新宿FACE)の一夜明け会見が行われた。毎回異なるテーマで開催されるKHAOSだが、今回はK-1選抜と今回がプロデビュー戦となるABEMA『格闘代理戦争』卒業生による“7対7 全面対抗戦”が無観客試合で行われた。
結果は『格闘代理戦争』チームが勝利し、7人中4人がプロデビュー戦勝利を飾った。
注目の大将戦では難聴のハンデがありながら『格闘代理戦争』で史上初の3タテを達成している古宮晴(16=格闘代理戦争選抜/昇龍會)がK-1アマチュア全日本Aクラス優勝(-60kg)の目黒翔大(20=K-1選抜/優弥道場)に3-0の判定勝利。
中堅戦の寺田匠(19=格闘代理戦争選抜/K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)も差をつけ3-0の判定勝ち。
副将戦の稲垣澪(21=格闘代理戦争選抜/K-1ジム大宮チームレオン)と五将戦の永井卓海(22=格闘代理戦争選抜/team ALL-WIN)はKO勝利を掴んだ。
大将の古宮晴は今後の目標として「これからもっとレベルアップして、倒せるような試合、魅せるような試合をしていきます。こういう障害を持っている人たち全てにもそうなんですけど、夢や元気を与えられる選手になりたい。最終的にはK-1・Krush両方のベルトを取りたいと思っています」と16歳のこれから広がる大きな夢を語った。
また副将でデビュー戦KO勝利の稲垣澪はKrushフェザー級タイトル戦線に名乗りを上げた。
「江川(優生)選手がKrushのベルトを返上したということもあって、今年中にKrushで王座決定トーナメントが行われると思うので、そこに一歩でも足を踏み入れることを目標にがんばろうと思っています。2戦目、反省点を活かし、もっといいKO勝利を皆さんに見せられるように、また一から練習します」と意気込んだ。
稲垣のコメントに登場した江川優生はK-1王者の一人。昨年11月の「K-1 WORLD GPフェザー級王座決定トーナメント」で3試合全て1RKO勝利で圧倒的な実力を見せつけ王者に。
江川はK-1とKrushの同時ベルト保持者となったが、K-1に集中するため、Krush王座を今年2月に返上している。
また、中堅戦で判定勝利した寺田匠は「KOできなかったのが心残り。ドンドン強い選手とやって、最速でK-1チャンピオンになりたいなと思っています」、そして五将戦でKO勝利した永井卓海は「ライト級の上に立っていく」と同じく頂点を志した。
今回、プロデビュー勝利を飾った10代、20代前半の戦士たちはK-1、Krush王座、階級の頂点を目指すとした。
しかし、当然ながらその山は険しい。ムエタイやキックの歴戦の王者クラスが突然、K-1やKrushに参戦し、短期で王座獲得となることはあるが、デビューから間も無く参戦する場合は、険しい道が待っている。
前出のK-1フェザー級王者の江川優生はKrush王者になるまでデビューから4年3ヶ月(Krush参戦から3年3ヶ月)、K-1王者になるまで5年1ヶ月だ。
KO連発で注目される木村ミノルは2010年9月にMAキックでプロデビュー。2013年1月からKrushに参戦。それから5年8ヶ月後の18年8月にKrush王座獲得。今年3月にK-1 WORLD GP第3代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメントで全試合KO勝利で念願のK-1王座獲得。ここまでプロデビューからおよそ10年、Krush参戦から7年2ヶ月かかっている。
短い方ではK-1 WORLD GP3階級王者の武尊は2011年のプロデビューから約1年8ヶ月、プロ12戦目でKrush王者に。新生K-1では14年の旗揚げ戦から参戦。15年5月には王座決定トーナメントで勝ち抜き優勝。初代K-1 WORLD GP -55kg王座をプロデビューから約3年半で王座を手にした。
K-1グループではランキング制が設けられていないため、連勝を続ければKrushは10戦以内で王者とタイトル戦を用意される場合もある。しかし勝つのが難しく、だからこそ王者は防衛を重ねる。そして王座決定トーナメントは、数年間王座を追いかけている猛者ばかりが争う。
しかし、そんな王者たちを一蹴する若き強豪が出てくるのか。今回プロデビューした若手選手たちが、戦績を重ね、いずれタイトルマッチのリング、王座決定トーナメントの決勝に上がることを期待したい。
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