女子看護師ファイターが、コロナ災禍のニューヨーク市病院勤務に志願「オクタゴンへ入るのと同じ」
世界最大の女子MMA(総合格闘技)プロモーション『Invicta FC』に参戦中のジョーダン”カミカゼ”カーゼ(アメリカ)。彼女はウィスコンシン州で外傷看護師(急性のケガ・病気のケア専門)として働いていたが、職を辞し、新型コロナウイルス災禍のニューヨーク市病院への勤務を志願した。
ニューヨーク州では、新型ウイルスの感染者が19万人近くに上り、死者は1万人を突破。ここ数日は毎日700人以上が、感染により死亡している。ニューヨーク市はその中でも最も苛烈な地域だ。
カーゼは地元ラジオでのインタビューに応え「今、MMAのジムは閉鎖されています。その間、私はより大きな戦いへ挑むことが出来ます。現在ニューヨーク市では世界最大の死者を出していますが、そこへ行くのは、オクタゴン(リング)へ入るのと同じようなものです」と語る。
カーゼは地元でMMAの練習と並行し、外傷看護師として5年間働いてきた。決意のきっかけは「数日前に引っ越して病院に近い場所に住みはじめたのだけれど、ある夜、窓の外を見ると周りのアパートから歓声が聞こえてきたの。病院の医療従事者たちのシフトの変更の時間で、入れ替わりをしていたのね。住民たちは、彼らに感謝の気持ちを伝えていました。それで感じたの」と、自分たちが必要とされている存在であることを再確認したのだと言う。
彼女がこのことを伝えると夫は「君がそれをする必要があると感じたなら、そうしてほしい。僕は君がどんな人か知っているから」と、理解し送り出すと言った。
朝にニューヨーク市病院の求人に応募すると、その日の午後7時に採用通知が来た。まるで過酷な戦争での軍隊の募集のようだと彼女は言う。「向こうの医療従事者は助けを求めています。それならそれが、私がやるべきこと。この恐ろしいウイルスから彼らを助けたいと思います」と語る。
地元・ウィスコンシン州であっても、ウイルスの災禍から逃れることは出来ない。しかし感染者は現在1600人ほどで、死亡者は70人とニューヨークよりもまだ進行していないと言う。「私たちの州は十分な支援やリソースを持っています。私はニューヨークへ行き、8週間の任務を完了します。戻ってきて、その必要があれば、もちろん手助けをします」と言う。カーズは4月18日にニューヨーク市へ到着すると言う。
ジョーダン”神風”カーゼ、19年10月にデビューし、MMAプロ戦績はまだ1戦1敗(アマチュアでは8戦7勝)。だが自らの看護師としてのスキルと、戦士としての誇りと愛を胸に、最危険地帯へと”参戦”する。
カーゼの決意を伝えるラジオインタビュー
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