【映画】”中国版ロッキー” 最強の敵役に、五輪目指した日本人ボクサーが抜擢=中国で人気公開中(動画あり)
“中国版ロッキー”とも言える内容のボクシング映画『我們永不言棄(我々は決してあきらめない)』英文タイトル『KNOCKOUT』が4月20日に公開された。当初、中国国内の映画館での公開される予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期を繰り返し、最終的には4月20日から中国最大の動画配信サービス『iQIYI(アイチーイー)』での配信となった。
iQIYIの映画日刊ランキングでは公開後3日連続の1位、28日現在も5位にランクインしている。
この作品の主人公を演じる人気俳優ハン・ギョンの宿敵となる日本人ボクサーの井川雄二役を、2019年国民体育大会ライトヘビー級優勝のボクシング実績を持つ鬼倉龍大(25)が演じている。
準主役とも言える大役を鬼倉が務めたきっかけは監督を務めたロイ・チョウ氏がリアルにこだわり、キャスティング会社を通じて日本のボクシング関係者に打診、本物のボクサーにこだわり、イケメンボクサーとしても評されていた鬼倉が最終的に選ばれた。
ロケは18年12月から19年1月初旬にかけて中国の無錫市(上海の近く)で撮影。その後はボクシングに没頭し、昨年11月に行われた全日本選手権でライトヘビー級・決勝で梅村錬(拓殖大学)に敗れ、2020年東京五輪への予選出場権を惜しくも逃しているが日本のミドル級を代表する選手だ。
当初、井川のキャラクターは生意気な若者の予定だったが、監督を務めたロイ・チョウ氏が撮影現場での鬼倉の爽やかさに着目し、好青年の要素も強めたという。
物語は、白血病を患った娘のために往年の中国人世界王者、周始が、36歳でカムバックし、全勝を続ける現役世界王者に挑むというもの。鬼倉の演じる井川は、主人公との世界戦会見では強さに驕りを持った発言を口にするが、基本的には鬼倉に「ありのままの自分でいいから」と言っていたという。
「僕が現地の中国人スタッフと談笑している時に監督が寄って来て“君の笑顔が気に入ったから、予定を少し変える”と言われました。試合会場への入場シーンとかは自然体で撮影に応じましたが、撮り直しはほとんどありませんでした」
試合中のシーンでは、実際よりも、フックのようにパンチの軌道が大きくて分かりやすいものを多用することになったが、そこですら「リアルにこだわりたいから君を呼んでいるんだ」と言って、ボクシングスタイルへのテコ入れは皆無に等しかったそうだ。
現在、鬼倉は東京五輪の目標が断たれたのを機に選手を引退し、母校の駒澤大学で臨時コーチを行う他は、趣味で元WBC世界スーパーフライ級王者・川島郭志会長の営む川島ボクシングジムに通っているくらいだったと言う。
仕事は医療・リハビリ介護関係で、今後は医療系の資格の取得も考えている。こうした彼の思いやりあふれる性格が監督に見いだされ、キャラクターの予定を変更させたのだろう。
最後に鬼倉は映画に関して、こんなエピソードも語ってくれた。
「予定変更といえば、僕と主人公の決着も当初とは逆になったんです。その結果を確認するためにも、機会があったらこの映画を観てください!」と語った。
またこの作品には総合格闘技の修斗で活躍する岡野裕城(マッハ道場)も1人のボクサーとして出演している。
なお、『iQIYI(アイチーイー)』は、日本、及び東南アジアでもスマホのアプリが提供されており、月額課金で多くの作品を見ることができるが、この作品は現在は中国本土のみ限定のため、見ることはできない。近く、中国以外での公開が待たれる。
▼映画の予告編、鬼倉のパンチが炸裂している
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