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【空手】東京五輪・日本代表の清水希容を破った大野ひかるとは

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2020/12/14(月)UP

全日本の女子形で初優勝した大野ひかる

 公財・全日本空手道連盟(全空連)主催の『第48回全日本空手道選手権大会』が12月13日 (日)、東京・日本武道館で行われた。

 形では東京五輪で金メダル候補で、この大会で女子形最多タイ記録の8連覇をかけた清水希容(27=ミキハウス)が決勝で大野ひかる(28=大分市消防局)に敗れた。

 清水は決勝で得意のチャタンヤラ・クーシャンクーでスピードのある形を打ち26.94点をマーク、大野はパープレンという清水が演じた形と同様に難易度の高い緩急の強い形を打つと、27.42点を記録し0.48ポイント差で全日本初優勝に輝いた。

スピードと迫力の形を披露する清水は惜しくも8連覇を逃す

 負けた清水は昨年12月の全日本で7連覇を達成したが、昨年11月の「プレミアリーグ・マドリード」では2位、今年1月の「プレミアリーグ・パリ」でも3位と国際大会では負けが続き、以後、コロナ禍でこの全日本が11ヶ月ぶりの試合となった。

 清水は「負け続けて、技術の面ではそうだが、気持ちの面でまた同じように負けるのではないかとか、そう言う気持ちの弱さがあった。稽古してきたことは間違っているとは思っていない。8連覇を目指していたのでかなり残念。強い気持ちで挑みきれなかった自分の弱さをオリンピックまでに克服したい。久々の試合だったので探り探り、無難にこなしたということもある。このままでは(五輪では)勝てないので、(気持ちの)弱い部分を払拭し、自分の強い部分をしっかり出せるようにしたい。」と語った。

大野が決勝で形(パープーレン)を打つ

 勝った大野は大分南高校時代に高校全国大会を形で4冠、さらに世界ジュニア選手権で形・組手ともに金メダルと史上類を見ない成績を残し、天才少女とも呼ばれた。”形と組み手は表裏一体”とし、大学を経て社会人2年目まで形と組手の2刀流を続けた。16年10月に世界空手道選手権の女子団体形で優勝し、もう一度世界一になるために形に専念することを決めという。
 一方清水は早い段階から形に絞り急成長、13年には全日本優勝、14年、16年には個人形で世界2連覇を達成していた。大野は16年の世界選手権団体で優勝した2ヶ月後の全日本に初の決勝進出、しかし優勝ならず、17年も決勝で敗れ、19年は準決勝で敗れた。勝者は全てこの全日本で絶対女王の清水だった。昨年の全日本選手権の予選ラウンドでは清水の得点を上回り1位通過、優勝の片鱗は見えていた。しかし、準決勝では清水に0.48ポイント及ばす敗退した。

優勝会見する大野ひかる

 今回の予選ラウンドは、第1グループの清水は25.31点で1位、第2グループの大野は26.04点で1位と、共に1位ながら大野の方が清水を上回る得点で通過していた。決勝戦でも大野が勝利し念願の初優勝を果たした。

 優勝インタビューで大野は歓喜に涙をしながら「ここまで来るのに長くて諦めそうになった時もあったが、周りの応援のおかげでここまで来れた。スーパーリンペイとパープーレンをしっかり強化してきて自信を持ってできた」と語る。また、テレビ解説のコメントでは、大野はここ3年間は遠征続きで自分の課題に目を向けられなかったが、コロナの影響でそこに目を向けて強化できたと語っていたと紹介されていた。負けが続き、久々の大会で探り探りだった清水と、コロナ禍で課題を克服して自信を持った大野が0.48ポイントの差を生んだ。大野は「今後も納得のいく形を追求していきたい」と最後に意気込んだ。

▶︎次ページ:組手はコロナでメンホー着用義務、不慣れなベテラン勢は苦戦、植草歩も3回戦で敗退

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