【ボクシング】コロナワクチン拒否で世界戦キャンセルのジェニングス、ワクチンを打たない理由とは?
WBCで新たに設置された「ブリジャー級(101.6キロ以下)」の世界王座決定戦(10.22=カナダ)で同級1位のオスカル・リバス(34=コロンビア)と、これまで世界ヘビー級タイトルにも挑戦した同級3位のブライアント・ジェニングス(37=米)が戦う予定だったが、ジェニングスがコロナワクチン接種を拒否し、タイトル戦を降りることになったと一昨日28日に自身のTwitterで報告し、海外でも多く報道された。
試合のあるカナダ・ケベック州では9月1日から新たにワクチンパスポート制を導入。ケベック州のワクチンパスポート計画は7月から進められており、予防接種が必要な活動のリストに屋内での格闘技が含まれていた。普段から反ワクチン派のジェニングスはSNSで「ワクチンを打つことは計画になかったし契約にもなかった!」とし、会場変更などTwitterでも主張したが、降りることとなった。代役として同級11位のジェリー・フォレスト(米国)になる模様だ。
ジェニングスのTwitterによると、もしワクチンを打ったとしても2週間の隔離生活が必要のようで「14日間の隔離、トレーナーなし、ジムなし、ランニングなし、最後の1週間のスパーリングなし、日光浴なし、食べられるものは何でも、そして隔離から出られるのは計量の日である10月21日までだ。ワールドクラスのファイターが12ラウンドを戦うのに、そんなことができるか?」とも語っており、打ったとしても国外選手は勝つことが難しいとする。
ところでなぜ、ジェニングスはワクチンに反対なのか。Twitterの発言を追うと「ワクチンの良い情報より悪い情報の方が多い」などと陰謀説を信じている傾向とも見受けられるが、彼は敬虔なイスラム教徒でもある。イスラム教ではハラールという戒律があり、動物由来のものを食べるなど体内に入れる場合、儀式を行なった上で屠殺したもの以外は食べることができない。これがコロナワクチンを遠ざけている理由とも考えられる。
コロナワクチンについては、海外一部医療メーカーで自然流産や中絶胎児の組織に由来する細胞株が使用されているとの報道を受けて、多くのイスラム教徒が、生命倫理に反すると、ワクチン接種を受けることに疑問を抱いている。
ワクチンの開発と製造の途中段階では使用されるが、ワクチン自体には胎児細胞は含まれてはいないとされる。米国のノースダコタ州保健局の資料ではジョンソン&ジョンソン社のワクチンは胎児細胞株を製造過程で使用し作られているとのことだが、ファイザー社やモデルナ社では、初期のテスト段階で胎児細胞株を使用した程度で製造過程でも胎児細胞は使用されていないと説明される。
イスラムに敬虔であればあるほど、気になる状況ではあるが、ジェニングスはそれに加え動物愛護から肉を食しないビーガンでもある。
個人の信条から打つ打たないは本人の自由ではあるが、9月からパスポート制になったのもタイミングが悪い。ワクチン接種の可否で世界戦への挑戦ができなくなるのは本当にもったいない話だ。
昨日29日の報道で、田辺三菱製薬が、タバコの葉を使った植物由来の新型コロナウイルスワクチンを10月から臨床試験(治験)を開始し、来年3月にも国に承認申請する方針であると発表した。カナダにある子会社メディカゴが開発を進めているという。実現すれば、世界初の植物由来のワクチンになるとのことだが、これでビーガンや宗教理由でワクチンに不安を持つ人たちへの解消になればと願うばかりだ。
▶︎次ページは【動画】ジェニングスのヘビー級、豪快アッパーKO勝利の瞬間
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