【ボクシング】村田諒太の天敵だった38歳・佐藤幸治、五輪目指し復帰3連勝
かつては「村田諒太の天敵」としてアマチュアボクシングで活躍し、プロ転向後もフェリックス・シュトルム(ドイツ)の保持していたWBA世界ミドル級王者に挑むなど、数々の名勝負を繰り広げた佐藤幸治(38=日本大学OB)が「最後の五輪挑戦」として全日本選手権・予選にエントリー。今月14日、15日に駒澤大学・玉川キャンパス内で行われた関東ブロック予選も突破し、復帰後3連勝で本戦出場を決めた。11月に鹿児島の阿久根市で行われる全日本選手権で優勝できれば、2020年東京五輪の選考会に出場する権利を得られる。
予選の最後に迎えた小森勇典(日本体育大学)戦で、佐藤はようやくジャッジから5-0のユナニマス(満場一致)判定を得られたが、結局、この試合も打ちつ打たれつの乱打戦となった。2000年シドニー五輪や2004年アテネ五輪の時代に、圧倒的な強さで12回の全国大会優勝を誇った頃に比べたら、パフォーマンス力が落ちているのは自他ともに認めるところだ。それでも五輪に執念を見せ、妻子の許しを得て休職し、再びリングに上がる佐藤には、温かい拍手が送られている。
対戦相手たちにも、すでに佐藤を知らない選手が多い。復帰後に戦った選手は3人とも、佐藤の実績を最近知ったと口を揃えている。もう一つ、3人に一致した意見なのは「左ジャブが見えなかった」という感想だ。これは、以前から佐藤の武器だった。
過去の自分まで復調するには、以前の練習プラスアルファの工夫が求められる。そこで佐藤は元WBC世界バンタム級王者・山中慎介氏に、必殺の左ストレートである通称「ゴッドレフト」の打ち方も聞いた。
結局、技術取得に至らなかったが、山中氏が左拳の拳頭のみ、相手のアゴに打ち込む練習を続け、練習用グローブがその一点だけ擦りきれていたことに、佐藤はプロフェッショナルを感じたと話した。
東京都内の予選から応援に駆けつけている、山中氏は「幸治さんの試合はプロでもドキドキしながら観ていたけど、今も変わらない。久々に試合を見せてもらって嬉しい」と活躍を期待した。
佐藤は「ボクシングはやっぱりキツいけど、俺にはこれしかないと思うと頑張りがいがある。自分の人生を変えることで周りの人にも幸せを感じさせたい」と涙を見せながらコメントした。
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