2020/02/28（金）UP
（最終更新：2020/08/23 06:54）

プロボクシングのA級ボクサーが優勝賞金100万円と “はじめの一歩”に登場する権利の獲得を目指すトーナメント

『DANGAN234』（２ページ目）
2月27日、後楽園ホール

　漫画『はじめの一歩』が週刊少年マガジン（講談社）に連載開始して３０周年を記念し企画されたこのトーナメント。昨年11月よりプロボクシングのA級ボクサーがトーナメントに参戦し優勝賞金100万円に加え、 “はじめの一歩”に登場する権利の獲得を目指して争われている。

　準決勝の第１試合目は昨年11月の１回戦で共にKO勝利で勝ち上がってきた草野とジェウの対戦。

【準決勝第１試合 8回戦】
○草野　慎吾（三迫）
判定2ー0※77-75×2、76-76
●イ・ジェウ（韓国）

草野が最終ラウンドに怒涛の攻めを見せる

　草野は序盤は果敢に攻めるがジェウはしっかり見ながらカウンターを返す展開。ラウンドを重ねるにつれ、ジェウのパンチがヒットし始め草野の攻めが落ちる。草野は左拳を試合中に痛めたようで、手数は少なめ。それでも最終の８ラウンドは果敢に攻め、ジェウに次々とヒットし下がらせ、判定で草野が競り勝った。

【準決勝第2試合 8回戦】
○渡部大介（ワタナベ）日本フェザー級5位
判定3ー0 ※77-75×2、78-74
●リチャード・プミクピック（フィリピン）

渡部のボディブローがリチャードの腹をえぐる

　序盤から渡辺がアグレッシブに攻める。キレのある豪快なパンチにKOが期待されたがリチャードはカウンターで豪腕を振るう。このパンチのクリーンヒットを避けながらボディを攻める渡辺。するとリチャードもボディを返しお互い手数の多い展開に。渡辺は始終圧力をかけボディに集中し試合のペースを握る。

　最終ラウンドもお互いボディから上に繋げる展開。渡部が左フックでリチャードがコーナーを背にする場面も。リチャードの左ジャブ、左フックの被弾もあった渡部だったが強打はしっかりかわし、判定で勝利した。

　決勝は草野と渡部の戦いとなるが賞金100万円と“はじめの一歩”登場権利を手にするのはどっちだ。決勝は5月17日、墨田区総合体育館で開催が予定されている。

◼️アンダーカードはもと王者の再起＆復帰戦

土屋（右）は打たれながらもカウンター反撃、ダウンを奪った（photo:Naoki Fukuda）

　また、今回の興行のアンダーカードで注目のワンマッチ2試合、前OPBFミニマム級王者の小浦翼（(25=E&Jカシアス）の再起戦と、元日本ライト級王者の土屋修平(33=Reason大貴)の復帰戦が行われた。

　土屋はキックボクサーからプロボクシングに転向し、2009年7月のデビュー以来12連続KO勝利。2016年12月には日本ライト級王座を獲得したが、2017年6月に引退。
　しかし「ボクシング界に風穴を開けたい」と復帰を決意し、1月12日に2年7ヶ月ぶりの復帰戦に臨む予定だったが、対戦相手の中国選手がビザの関係で入国できず試合が中止に。その日はエキジビションでリングに上がったが、今回、元日本ランカーの山口祥吾（26=唯心）を相手にライト級5回戦で復帰戦を迎えた。

　１Rから山口がボディを連打、効かされロープを背負わされた土屋。流石に2年半のブランクは厳しいか。しかし試合勘は健在で、ラッシュで隙ができた山口の顎に土屋の右が炸裂するとダウン。逆転勝利かと思われたが山口は立ち上がり徐々に回復。

防戦一方となった土屋にパンチを叩き込む山口、レフェリーが試合を止めた（photo:Naoki Fukuda）

　以降も山口がアグレッシブに攻め、土屋は防戦にまわる。そんな中でも土屋は隙を見て反撃し、カウンターで動きを止めたが、勝てると見た山口が被弾もお構い無しに前に出る。
　５Rには山口の右ストレートで土屋は動きが止まると、ラッシュで防戦一方に。レフェリーが試合を止めTKO負けとなり復帰戦の勝利はお預けとなった。
負けた土屋はSNSで
「世の中そんなに甘くない。もうちょっと言いたいこと言いたかった。でも実力不足、死人に口無し！みなさん応援ありがとうございました！」と綴った。

小浦翼は３Rで圧勝のTKP勝利を納めた（photo:Naoki Fukuda）

　そしてもう１試合、ミニマム級5回戦。小浦翼は昨年3月、ダンテ（比）に王座を奪われて以来のリングだ。
　この再起戦に対するは王座を奪われた同じフィリピンのアリストン・アトン（20＝比）。
　小浦は２Rにボディを効かせ３Rには右をクリンヒットさせるとレフェリーが早々に試合をストップ。アトンは不満顔だったが、小浦が再起戦をTKOで飾った。