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【ボクシング】中谷潤人がKO勝利で世界王座獲得、約2年ぶりに日本人世界王者誕生

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2020/11/06(金)UP

世界王者のベルトを巻いた中谷

 11月6日(金)、東京・後楽園ホールにて[WBO世界フライ級(50.8kg)王座決定戦]が行われ、同級3位の中谷潤人(なかたに・じゅんと/22=M.T)が同級1位のジーメル・マグラモ(26=フィリピン)を8R2分10秒KO、 左のロングアッパーによるKO勝利で新世界王者となった。

 中谷は世界を目指すべく昨年7月に日本王座を返上。前戦となる同年10月に組まれた世界前哨戦では元IBF世界ライトフライ級王者のミラン・メリンド(フィリピン)と対戦。6RにTKO勝ちを飾る実力を見せており、自身初となる世界戦をKOで飾って見せた。

この左ストレートから左ロングアアッパーにつなげダウンを奪った。

 試合では身長163cmと中谷より8cm下回るマグラモに距離を詰めさせないように、中谷はサウスポーから右の長いジャブを何度も出し、そして左ストレートのクリーンヒットでぐらつかせ、続けて右ボディブローなどを連打し幸先の良いスタート。
 しかし2Rにはマグラモは低い姿勢から頭をつけて突進し超接近戦で挑む。苦戦する中谷、マグラモのアッパーを被弾する場面があるが、回り込みながら連打で反撃する中谷。低い姿勢から頭をつけて突進して連打するマグラモに4Rには中谷がカウンターの左のボディストレートを入れマグラモの動きが一瞬止まる。

中谷のパンチにマットに崩れ落ちるマグラモ

 5Rには低く入ってくるところをカウンターでフック、ボディブローなどを合わせる中谷。6Rに頭をつけて連打するマグラモのパンチが度々中谷にヒットする。さすがKO率8割を誇るマグラモだ。中谷も攻めあぐねる場面もあったが、以降も中谷はアッパーをヒットさせボディブローにもパンチを重ね、8Rには左の大きな左フックでぐらつかせると、さらに詰めてアッパーで動きを止めストレートから最後は左ロングアッパーがヒットするとマットに崩れ落ち、中谷のKO勝ちとなった。

 世界王者のベルトを巻く中谷、18年12月30日に世界暫定王者となった井上拓真(大橋)以来、約2年ぶりに日本人男子世界王者の誕生となった。
 中谷は「マグラモは良い選手だったが1Rに良いパンチが入り、効かせることが出来たのが良かった。チャンピオンになれ、次のランクの目標で統一や防衛をして、これからも日々チャンピオンロードを歩いていきたい」と新王者となり今後の決意を語った。

 中谷は中学1年からボクシングを始め、中2で全国大会で優勝。世界王者を志した。高校に進学せず、米国へ1年間留学。元世界2階級制覇王者・畑山隆則らを育てたルディ・エルナンデス・トレーナーの指導を受けた。帰国後M.Tジムに所属し2015年4月26日に1回TKO勝ちでプロデビュー。16年に全日本フライ級新人王。19年2月に日本フライ級王者となり、今回プロデビュー約5年半で世界王者となった。戦績は21勝(16KO)無敗。

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