【UFC】代打出場のヴェットーリがランク4位・ハーマンソンから金星を挙げる
WME-IMG
『UFCファイトナイト・ラスベガス16』
2020年12月6日(日・日本時間)アメリカ・ネバダ州ラスベガス/UFC APEX
▼メインイベント ミドル級 5分3R
●ジャック・ハーマンソン(32=スウェーデン/同級4位)
判定3-0 ※49-46×2、49-45
◯マーヴィン・ヴェットーリ(27=イタリア/同級13位)
ハーマンソンはスウェーデン出身のファイターで現在ランキング4位。MMA戦績は21勝5敗(UFC戦績8勝3敗)で21勝のうち17勝がKO・一本勝利(11KO・6S)と高いフィニッシュ率を誇り、破壊力のあるパンチに加えてギロチンチョークやヒールフックなど多彩なサブミッションでも勝利を収めている。本来はランク6位のダレン・ティルと対戦予定だったが、ティルが負傷欠場、さらに代替選手となったケビン・ホランドも新型コロナウイルス陽性により欠場となり、13位のヴェットーリとの対戦となった。
ヴェットーリはイタリア出身の27歳。寝技で柔術茶帯の実力を持ち、15勝4敗1分(UFC戦績5勝2敗1分)、そのうち9つのサブミッション勝利を持つ。また打撃ではアマチュアボクシングで8勝0敗の戦績を残しているという。現在3連勝中と波に乗っており、前戦ではリア・ネイキッドチョークで一本勝利。運も重なって手に入れたランキング上位との一戦、下克上を果たしてタイトル戦線へと参入したいところだ。
1R、オーソドックスのハーマンソンに対し、ヴェットーリはサウスポー。左のローで先制はハーマンソン。インローや関節蹴りも打ち分けヴェットーリの前足を狙う。ヴェットーリは一気に前へ詰めてワンツー。そしてケージ際に詰めると左ストレートを打ち抜きダウンを奪う。倒れたハーマンソンへ鉄槌を連打する。さらにハーマンソンがしがみつくとヴェットーリはギロチン、しかしハーマンソンはこれを外してクローズドガードへ引き込む。ヴェットーリはフィニッシュを狙いパウンド、ギロチンと狙うが、ハーマンソンは脇を差し、下からヴェットーリを抱え込むようにしてしのぐと隙を見て立ち上がる。ここでラウンド終了のホーンが鳴った。
2R、開始と同時に一気にハーマンソンがパンチで前に出る。ヴェットーリは冷静に見ながら左を狙う。ハーマンソンはタックルに行き、いったん尻餅をつかせるが、ヴェットーリはスイッチと呼ばれるレスリング技術で逆に上を取る。ハーマンソンはクローズドガードからオモプラッタを仕掛けるがこれを外されると、1Rと同じく脇を差して下からヴェットーリをコントロール。
スタンドになるとハーマンソンは再びタックルでケージに押し込む。脇を抜けてバックについたヴェットーリにハーマンソンはバックエルボー。距離が離れるとヴェットーリがパンチを当てる。
3R、またもハーマンソンがすぐに詰めてパンチを飛ばしていく。両者、前手で距離を取り合いながらヴェットーリは1Rにダウンを奪った左ストレートで攻める。ハーマンソンはタックルを混ぜつつ、パンチや右ミドルで前に出る。するとヴェットーリは疲れたか手数が減り、次第にハーマンソンのプレッシャーに押されて下がるようになる。しっかりガードを固めたハーマンソン。左を警戒しながら右フックを当てていく。ヴェットーリもワンツーを出すが、1・2Rよりかなりスピードが落ちている。
4R、すぐにハーマンソンが詰める。近い距離から互いにパンチの攻防。ワンツーを多用するヴェットーリに対し、ハーマンソンはジャブや、頭を下げてタックルに見せた右フックを当てるとローも飛ばす。攻撃の多彩さではハーマンソンも、的確さではヴェットーリか、スタンドの展開が続くにつれ、次第に勢いを取り戻し、ハーマンソンの打ち終わりを狙って丁寧にパンチを当てていく。
最終ラウンドもすぐにハーマンソンが前に出る。ヴェットーリは変わらずジャブを当て左ストレート。ハーマンソンは気合の声を発しながらがむしゃらにフックを振っていくがヴェットーリはしっかりガード。すでにハーマンソンのパンチを見切ったか、しっかりと見てかわし、何度もジャブ、ストレートを当てる。
終盤、ヴェットーリは距離が詰まると四つで組みケージに押しこみ、脇をくぐってスタンドバックにつく。ハーマンソンは逆転を狙い、前転するように足元へ潜り込むと、前戦でのフィニッシュ技となったヒールフックへ。しかしヴェットーリはこれをしのいで試合終了。判定は3-0でヴェットーリ。代打のチャンスをモノにしたヴェットーリがタイトル戦線へ名乗りを上げた。
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