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【UFC】空手家スティーブン・トンプソンが豪腕ニールに完勝、まさに“蝶のように舞い蜂のように刺す”

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2020/12/20(日)UP

絶妙なタイミングで右ハイをヒットさせるトンプソン(右)(By courtesy of Zuffa LLC / Getty Images)

WME-IMG
『UFCファイトナイト・ラスベガス17』
2020年12月20日(日・日本時間)米ネバダ州ラスベガス/UFC APEX

▼ウェルター級 5分5R
○スティーブン・トンプソン(米国/ランク5位)
判定3-0 ※50-45×3
●ジェフ・ニール(米国/ランク11位)

前日の公開計量・フェイスオフ、トンプソン(左)とニール(右)(By courtesy of Zuffa LLC / Getty Images)

 スティーブン・トンプソン(37=米国)はUFC屈指の空手ストライカー。父親が空手道場を経営していたことから3歳から拳法空手を始め、そこからは空手、キック、ブラジリアン柔術と様々な格闘技を習得。
 12年にUFC参戦。UFC王座獲得の経験はないものの、ウェルター級タイトルマッチに2度挑戦している。19年11月の前戦では、ビセンテ・ルケ(ブラジル)に判定勝利を収めた。MMA戦績は16勝4敗1分。

 対するジェフ・ニール(米国)はハンド・オブ・スティール(鋼の拳)の異名を持つ豪腕ストライカー。18年にUFC本大会に参戦。以降、5連勝と負けなし。MMA戦績は13勝2敗で、13勝のうち10試合がフィニッシュ(8KO、2一本)勝利だ。

左を振るうニール(左)(By courtesy of Zuffa LLC / Getty Images)

 1R、トンプソンがオーソドックス、ニールはサウスポー。伝統空手的なステップのトンプソンがサイドキックと強烈な右ミドルをヒット。トンプソンは時折、構えをサウスポーにスイッチし、踏み込むニールに右フックのカウンターを合わせる。
 ニールは踏み込んで左右のフックを振るうが、トンプソンのステップについていけず、パンチは空を切る。接近戦でのパンチの交差、お互いが頭がぶつかり、二人とも右眉付近がカットし流血。トンプソンが手数で勝る印象。

左ジャブを放つトンプソン(右)(By courtesy of Zuffa LLC / Getty Images)

 2R、サイド、バックと軽やかにステップを踏むトンプソン。距離をつめるニールが射程圏内に入ると、サイドキック、ミドルキック、ハイキック、飛び込みの右ストレートを、次々とヒットさせる。ニールがトンプソンのスピードについて行けない。

 3Rと4Rもこれまでと同じ展開。トンプソンのフットワークにニールが上手くついて行けない。打撃の手数の多さと正確さで、トンプソンが試合の主導権を完全に握ったか。

強敵ニールにフルマークの判定勝利を収めたトンプソン(左)(By courtesy of Zuffa LLC / Getty Images)

 5R、ハイガードで飛び込むニールに、ワンツーを当てるトンプソン。トンプソンのステップを追いかけるニールの足が止まると、すぐにトンプソンが距離を詰めて、強いパンチを当てていく。
 ラスト10秒、お互い足を止めての殴り合い。タイムアップのブザー、25分間の戦いで疲労困憊の両者が握手を交わした。

 ジャッジ3人全員が50-45でトンプソンを支持。トンプソンはまさに“蝶のように舞い蜂のように刺す”戦い。フルマークの判定勝利でトンプソンが、UFC戦無敗のニールに土をつけた。

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