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【ホーストカップ】大石駿介、引退試合でムエタイ強豪に悔しい流血TKO負け「プロ生活15年、ありがとうございました」

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2021/07/15(木)UP

引退試合の大石(左)に、縦ヒジを駆使するチャーチャイ(右)

アーネストホーストジムJAPAN
『グループエスカラデーPRESENTS HOOST CUP KINGS NAGOYA9~ナゴヤチャンピオン カーニバル~』

2021年7月11日(日)愛知・名古屋国際会議場 イベントホール

▼メインイベント第8試合 ISKAムエタイ世界Sライト級タイトルマッチ 3分5R
●大石駿介(OISHI-GYM/同級王者、初代WMC日本Sライト級王者、元MA日本Sライト級王者、元J-NETWORK Sライト級王者)
TKO 3R 0分43秒 ※左ヒジ打ち
○マキ・チャーチャイ(真樹ジムAICHI/挑戦者、元ルンピニースタジアム Sバンタム級3位)
※チャーチャイが新王者に

左ヒジを放つチャーチャイ

 大石はチャーチャイを挑戦者にISKA世界ムエタイスーパーライト級の王座防衛戦に臨んだ。両者は昨年12月にノンタイトル戦で初対決。このときはチャーチャイがヒジでダウンを奪ったが、その後大石が猛然と追い上げ痛み分けに終わっている。
 大石にとっては、この一戦が現役最後のラストマッチ。イージーな対戦相手をセレクトしての華試合ではなく、あえて難敵を挑戦者に迎えてのタイトルマッチを組んだところに大石のキックボクサーとしてのプライドが感じられる。

コーナーで手当てを受ける大石

 試合はローキックの打ち合いからスタート。尻上がりにピッチを上げていく大石とチャーチャイ。
 在日タイ人といえば、トレーナー職に重きを置き、ロードワークなどほとんどしないタイプが多い。しかし、現在はコロナ禍でタイに帰国しても、ムエタイの仕事につける保障はどこにもない。
 そういう状況に身を置いていたので、チャーチャイは燃えに燃えていた。大石との一戦が決まるや、朝6時からジムメイトのマキ・ピンサヤームのロードワークを始めるなど、タイに住んでいた頃と変わらないハードトレーニングに励んだ。

 それゆえ組んだときのヒザ蹴りのしつこさといったらなかった。大石が必殺の左ボディフックを打ち込んでも、チャーチャイに就いたタイ人のセコンドは日本語で「かゆい!」と叫んで意に介さない。

 その後もチャーチャイはカウンターのヒザ蹴りと縦ヒジを駆使して、試合の主導権を握る。大石もカウンターの縦ヒジで応戦するが、チャーチャイのプレッシャーに押されがち。

同門の大﨑一貴(左)・孔稀(右)、小川翔(左から2番目)らと記念写真に収まる大石(中央)

 そして迎えた3R、左のヒジ打ちで大石を大流血させ、すぐリングドクターに試合をストップさせた。大石は引退試合を白星で飾ることができなかった。しかし、ラストマッチでも勝負の厳しさを魅せてくれた。

 試合を終えた大石は、自身のSNSで「引退試合、肘で切られてTKO負けでした。今日まで沢山の方に応援、サポートして頂きました。本当にありがとうございました。約15年のプロキックボクサーとしての生活が終わります。キャリアの中で3つの日本タイトルと世界タイトル、計4つのタイトルを獲ることができました。勝ち負けを繰り返し、腐らず今日までやってこれたのも応援してくださった皆様のお陰です。簡単な文章ではありますが、長い間本当にありがとうございました。」とメッセージを綴った。

(全試合レポート:布施鋼治/コメント追加:イーファイト)

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