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【ナイスミドル】“キックの鬼”沢村忠の教訓を胸に62歳元キック王者がリングで激闘

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2021/07/15(木)UP

元キック王者で62歳の飛鳥(右)と41歳の難波(左)が対戦、判定は1-0の引き分けとなった

NICE MIDDLE実行委員会
『NICE MIDDLE 54』第1部
2021年7月11日(日)東京・新宿FACE

 2008年に旗揚げした35歳以上の中高年世代を対象にしたキックボクシングイベント『NICE MIDDLE(ナイスミドル)』。5月9日に開催を予定していた『NICE MIDDLE 53』は、3回目の緊急事態宣言により急遽中止に。今回は4回目の緊急事態宣言が始まる日の前日というギリギリのタイミングでの開催となった。

 選手には医療機関でのPCR検査を義務付けし、陰性であることを確認した上で開催。観客の長時間の滞在を避けるために2部制に分けて行なわれ、今回もバンドマン、介護業、警察官、とび職、鉄道マン、不動産業、IT業、建設業、ラーメン店主、身辺警護人、防災業、製造業、講師業、システムエンジニア、リサイクル業、居酒屋店主など、さまざまな職業と人生を歩む中年ファイターが熱い戦いを見せた。

▼第6試合 ライト級
“元日本ライト級チャンピオン”
△飛鳥信也(62才/目黒ジム/身辺警護人)
判定1-0 ※20-20、20-20、20-19(難波)
“イザとなったらナゴラン”
△難波正利(41才/TEAM ZERO/防災業)

ダンスをしながら華麗(加齢)なるステップで入場する62歳の飛鳥

 この日の出場選手で最高齢62歳の元MA日本キックライト級王者・飛鳥信也が、20歳以上歳が離れた41歳の難波とファイナルで激突。

 本年3月に逝去した“キックの鬼”沢村忠が引退したのが1977年。引き継ぐように、翌1978年に同じ目黒ジム、同じライト級でデビューした飛鳥は、1988年1月に第5代MA日本キックボクシング連盟ライト級王者となり、1989年4月、新日本プロレスがプロレス界で初めて行った東京ドーム興行では、あの“赤い怪鳥”として一世を風靡したベニー・ユキーデとも対戦し、東京ドームで戦った初のキックボクサーとなった。

1R、難波(右)の右ストレートをかわしながら右ローキックを放つ飛鳥(左)

 ナイスミドルの試合前に飛鳥は語った。「沢村さんからは、たくさんの勝負論や人生訓をいただいた。常にトレーニングを欠かさず、ライト級のウエイトをキープし続けた沢村さん。”俺は生涯武道家だ!”が口癖だった。その沢村さんの魂を引き継ぎ、自分もライト級の体重をキープしながら生涯現役を貫き沢村さんに応えたい」 

 1R、積極的に前に出て仕掛けていく難波。手数が多い難波の攻撃をきっちり防御する飛鳥だが動きが固い。

2R、難波(右)の右ストレートが飛鳥(左)のアゴにヒット

 2R、徐々に動きがよくなっていく飛鳥。60の手習いで始めたロックダンスの動きを採り入れた軽やかなステップで難波のパンチをダッキングでかわしカウンターを狙っていく。終盤になり打ち合う両者だが決定打ならず1-0の引き分けに。生涯現役を貫く飛鳥の闘いは“キックの鬼”の元に届いたことだろう。

▶︎関連:「この苦境の中だからこそ王座に」57歳ラーメン店主、ダウンも喫しコロナの雪辱ならず判定負け

▶︎次ページは、第1部その他の試合結果と、第2部の試合結果

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