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【空道】20歳の史上最年少王者が誕生、30年ぶり記録更新

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2015/11/14(土)UP

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決勝戦/目黒(右)にカウンターの右アッパーを叩き込む清水(左)

全日本空道連盟
「2015北斗旗全日本空道無差別選手権大会」
2015年11月14日(土)東京・国立代々木競技場第二体育館

▼決勝戦
○清水亮汰(大道塾総本部/2014第4回世界選手権-250クラス準優勝)
延長戦 効果優勢勝ち
●目黒雄太(大道塾長岡支部/2015全日本体力別選手権-230クラス優勝)

 今大会は2010・2012・2013全日本無差別優勝の“絶対王者”加藤久輝が、11月20日(現地時間)アメリカのMMA(総合格闘技)大会『Bellator MMA』に出場するため(メインイベントでメルヴィン・マヌーフと対戦)欠場。そのため、誰が優勝しても初優勝という状況で行われた。

柔道の全日本選手権で無差別ベスト16の実績を持つ野村(左)の投げを防いで見せた清水(右)

 優勝候補にあげられていたのは昨年の『第4回世界空道選手権大会』で270+クラス(数字は体力指数と呼ばれる身長+体重の数値、-は数値以下・+は数値以上)準優勝を飾った野村幸汰(大道塾札幌西支部)。野村は188cm、118kgの巨漢で、5月に開催された『2015北斗旗全日本空道体力別選手権大会』の260+クラスで優勝したほか、昨年の柔道全日本選手権(無差別級)でベスト16の実績を持つ柔道家でもある。

 トーナメントはA~Dの4ブロックに分けられ、各ブロック毎に体力指数が比較的近い選手が配置される。そして各ブロックの上位2名(ベスト8)が出そろったところで抽選が行われ、改めてトーナメント組み合わせが決まる方式。

準々決勝/巨漢の野村(左)から左ストレートで効果を奪った清水(右)

 その準々決勝で野村と対戦したのは、キレのあるハイキックを武器に2014世界選手権大会で-250クラス準優勝の清水亮汰。野村の体力指数306に対して、清水は251.5(177cm+74.5kg)。しかし清水は軽快なフットワークとスピードで野村をかわし、投げを防ぎ、左ストレートで効果を奪って優勢勝ち。小が大を制す無差別級の醍醐味を体現した。

決勝/清水の右が目黒をとらえる

 そして決勝戦は、20歳の清水と22歳の目黒雄太という北斗旗史上例を見ない若手対決が実現。目黒は-230クラスで2013年全日本体力別準優勝、2014年世界選手権第3位、2015年全日本体力別優勝の実績を持つ。両選手ともジュニア部から一般部に上がってきた選手であり、ジュニア出身選手同士の決勝戦も史上初。

清水の後ろ回し蹴りをしゃがんでかわした目黒は、この体勢から即座に胴まわし回転蹴りを放った

 2人の試合は、これまでのパンチ主体の攻防から投げを狙って組み合い、乱戦となる空道の試合とは一線を画した。お互いに距離を取り、蹴り技主体で技を出し合いながらフェイントやカウンターでパンチを狙い、技をかわし合う。スピード、技のキレ、バランス、勘の良さなど全てを兼ね備えている。

 各支部の師範・師範代からは「なぜあんな技が出来るんだ」「2人とも天才だ」「もはや異次元だ」と言った声が洩れてくるほどの技の応酬が繰り広げられた。

清水が右ハイをクリーンヒットさせて効果を奪った

 本戦では清水がハイキックを当てれば目黒もハイを当て返し、まさに一進一退。その中で清水が右フックからの右ハイで効果(1ポイント)を奪う。両者に3ポイント以上の差がないため、ルールにより自動的に延長戦へ突入した。

 延長戦でも抜群のタイミングでハイをヒットさせる清水だが、両者とも寸前で相手の技をかわし合うディフェンスの良さを見せる。さらに、後ろ回し蹴りや胴まわし回転蹴りなどの大技も飛び出す。道衣をつかんでの頭部へのヒザ蹴り連打で清水が効果を追加し、試合終了。場内が大きな拍手で包まれる中、効果優勢勝ちで清水が初優勝を飾った。

延長戦、清水は組んでのヒザ蹴りで効果を追加した

 20歳での無差別優勝は、1985年に長田賢一が21歳で優勝した最年少記録を30年ぶりに更新の快挙。その長田も「ビックリです。あんな試合を見たのは初めてです。凄いですね」と舌を巻いた。

 清水は8歳で大道塾帯広支部に入門し、高校卒業と同時に上京して総本部寮生(内弟子)となった。空道以外の格闘技経験はなく、純粋培養で育てられた。ハイキックは子供の頃から得意だったという。

首相撲からいきなり投げを見舞う清水

 東孝・大道塾塾長は「2人とも蹴り主体で間合いを取った戦い方をするのは、顔面パンチが禁じられているジュニア部出身だからです。それに2人とも目がいい。ジュニア部から試合をしているから、技が見切れている。あと、意外なところから技が出てくる」と評したが、「ただし、パンチで打ち合えるパワーと体力がなければ世界選手権では勝てない」と厳しい評価も。

空道新時代のトビラを開いた、優勝した清水・20歳、準優勝の目黒・22歳

 清水は「最初の方は身体が動かなかったんですが、野村さんとやった試合から動けるようになって頑張れました。目黒先輩とは合宿とかでマススパーをやったことがあって楽しかったんですが、決勝戦でも楽しかったです。パンチの打ち合いの試合は好きではありませんが、これからは打ち合っても勝てるようになりたい」とコメント。

 パワーとテクニックを兼ね備えた怪物・加藤久輝越えも期待されるところだが、「いや……それは無理です」と苦笑いした。

<入賞者>
優 勝 清水亮汰(大道塾総本部/20歳)
準優勝 目黒雄太(大道塾長岡支部/22歳)
3 位 田中洋輔(大道塾御茶ノ水支部/28歳)
4 位 押木英慶(大道塾新潟支部/23歳)
5 位 加藤和徳(大道塾吉祥寺支部/29歳)
6 位 野村幸汰(大道塾札幌西支部/24歳)
7 位 小柴裕也(大道塾岸和田支部/30歳)
8 位 國枝厚志(大道塾吉祥寺支部/21歳)

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