2019/12/24（火）UP
（最終更新：2019/12/24 11:55）

「なんだか奥歯にしびれが残っちゃっていて…」と苦笑いをした会見中の八重樫。「激闘王」の腫れた顔が死闘を物語っていた

　12月23日（月）、横浜アリーナで行われた『FUJI BOXING トリプル世界戦』のIBF世界フライ級タイトルマッチで王者モルティ・ムザラネ（37＝南アフリカ）に敗れた元・世界3階級制覇の八重樫東（36＝大橋）は、第9ラウンドTKO負けによる敗戦について、試合後の控え室で語った。

　2年7カ月ぶりの世界戦について八重樫は「楽しかったし充実はしていた。精神的な悔いはない」と清々しいコメントも、ムザラネの猛攻で左目の周りを中心に腫れあがった顔は死闘を物語っていた。

被弾しながらも果敢に打ち合い、激闘を展開する八重樫

　第9ラウンド、八重樫はコーナー際で最後の闘志を見せるかのように反撃の手を出した。しかし年齢が1つ上となる王者の連打は力強く、ついにレフェリーが試合を止めに入った。
　ストップのタイミングについて八重樫は「仕方ないと思う」と満足していた。王者のプレッシャーは常に感じており「このまま行ったら自分のスタミナが切れるだろうと思っていた」と振り返った。

顔面に強烈なパンチを受ける八重樫

　多くの観客にとって、痛恨の一打は第8ラウンドに受けた強烈な左ボディブローのように見えた。しかし本人は「その前に右をもらって、それに気が散っていた」と明かし、だからこそ遅かれ早かれ「どこかで入らなきゃいけない」と思っていたと言う。

「自分の力不足」と言ってあまり言い訳をしたがらない八重樫。進退については「まだ何かを言える状態じゃないけど、色々考えなければいけない時期だとも感じている」と話し、「今回の試合に限って言えば、あくまで“自分のため”を意識して準備してきた。それで結果を出せなかったのだから…」と引退をほのめかすようなコメントも会見中は少なくなかった。

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