世界も制した中村倫也がレスリング引退、総合格闘技へ転向
国内外のトップとしのぎを削ってきた屈指のレスリングエリートがMMA転向を宣言した。
レスリング男子フリースタイルの中村倫也(りんや=25)が4月1日、自身のツイッターでレスリング引退を発表、「総合格闘技の舞台で大暴れするため、より一層死に物狂いで努力します」と競技&プロ転向を宣言した。
5歳からレスリングを始めた中村は、小学校5年、6年時に全国制覇を果たすなど少年時代から素質を開花。花咲徳栄高から専修大学に進むと、2014年の全日本大学選手権57kg級で後に世界王者となる高橋侑希を破り優勝。16年の全日本選抜選手権では決勝でその高橋を、17年には決勝でリオ五輪57キロ級銀メダリストの樋口黎をそれぞれ下し、同大会2連覇を達成。17年には7月の世界選手権では5位、11月のU-23(23歳以下)世界選手権では優勝を果たした。
東京五輪での金メダルを究極の目標としていた中村は、代表選考を兼ねた昨年12月の天皇杯「レスリング全日本選手権2019」に出場。「レスリング人生の集大成をかけ、相手を殺して自分も死んでもいいくらいの気持ち、そのために髪はいらない」と頭を剃り上げ臨んだが、決勝で乙黒拓斗に敗れ五輪代表の座を逃した。それでも、脱臼した肩の手術を乗り越えての決勝進出に「周囲のサポートに本当に感謝。自分を誇りに思えます」と納得し、20年のレスリング人生に区切りをつけた。
2015年に他界した父は、埼玉にある総合格闘技道場の名門「PUREBRED(ピュアブレッド)大宮」を運営していた。中村がレスリングを始めたのも、実は当時ジムに出入りしていたレスリング元世界女王の山本美憂が立ち上げたレスリング教室がきっかけ。美憂の長男、山本アーセンは教室の同窓生だ。それもあって「総合格闘家」は幼い頃からの憧れであり夢でもあったという。
自身のツイッターでは、ファンが寄付によりアスリートを応援・支援するスポーツギフティングサービスで、スキージャンプの髙梨沙羅やプロボクシング世界王者の寺地拳四朗も名前を連ねる「unlim(アンリム)」への参加も表明。ファンのサポートを力にUFC王者を目指すことも宣言している。
中学1年時から使い続けている変形アンクルホールドが自身の名をもじり「リンクル・ホールド」と呼ばれるなど技巧派だが、スピード、パワー、スタミナも一級品。究極のトータルファイターはMMAでも世間を驚かすことができるか。
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