【ボクシング】へリング”一撃”ダウン重ねTKOでV3、ドネアにも勝利の元王者フランプトンは涙の引退宣言
4月4日(日・日本時間)ドバイにて行われたWBO世界スーパーフェザー級(58.97kg)タイトルマッチで王者ジャメル・ヘリング(米=35)が、元2階級王者で3団体も制したカール・フランプトン(英=34)から3度のダウンを奪い、6RにTKOで王座防衛に成功した。負けたフランプトンは泣きながら引退を表明した。
へリングは12年のロンドン五輪ライトウェルター級(64kg)代表選手を経てプロボクサーに。19年5月に伊藤雅雪から判定で王座奪取し3度目の防衛戦だ。
フランプトンはこの試合で3階級制覇を狙っていた。18年4月には元5階級制覇王者のノニト・ドネアに判定3-0(3者とも117-111)と差をつけ勝利を収めるほどの実力の持ち主だ。
しかし、同年12月にはIBF同級王者王者のジョシュ・ワーリントンと対戦し判定負けし王座陥落。その後、再起を目指す中、滞在していたホテルのロビーで、飾ってあったコンクリート製の柱の装飾品が倒れてきてフランプトンの左手を直撃。左手小指の中手骨(手の甲の部分)を骨折し4日後の試合を欠場。19年11月には3階級制覇を目指すべく、スーパーフェザー級に上げ初戦となった10回戦で判定勝利も、事故で負った左手小指の同箇所を再び骨折。さらに右手中指の中手骨も骨折して手術を受けた。
それから1年半、満を持してヘリング戦に挑んだが、序盤からへリングがジャブで主導権を握った。身長差は13cmへリングが高く、リーチも同じ差だ。以降のラウンドもフランプトンはなかなか懐に入れず、3Rにはへリングの左ストレートがクリーンヒットしバランスを崩す場面もあった。
しかし4Rにはフランプトンが連打でロープに詰め、ヒットしたフックでへリングは右まぶたから流血。追い上げたフランプトンだったが、5Rにはへリングの左ストレートでダウンを奪われ、6Rにはへリングの左アッパーで再び木が倒れるようにマットに仰向けに倒れた。立ち上がるも再び左フック、アッパー、左フックの連打でぐらついたフランプトン。陣営がタオルを投入し、フランプトンの3階級制覇の野望は散った。
勝ったヘリングは、WBC同級王者でESPNランキング1位のオスカル・バルデス(メキシコ)との統一を希望した。
負けたフランプトンはこの試合を、先日亡くなったアマチュア時代のコーチ、ビリー・マッキーに捧げたいと語り涙。マッキーの写真入りのTシャツを着ながら語り、観客から拍手が贈られた。そして「この試合に負けたら引退すると言っていた通りになった。今は家族に人生を捧げたいと思っている。また、悪いこともあったが、ボクシングは私にとって良いものだった。僕は、より優れた相手に負けた。彼の中に入っていくのにとても苦労したよ。言い訳はしない」とマイクを置きリングを後にした。
ヘリングは「チャンピオンがあのような形で退場するのを見るのはつらい。彼とリングを共にできたことを光栄に思う」と語った。
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