ジムの前に”ブラジル人道場破り募集”チラシ、関西格闘家に貼った真意を聞いた
関西のあるジムの前に珍しいチラシが貼られてある。
「“ブラジル人道場破り、お断りしません。ご連絡ください(日本語のみ対応可)」
これは、関西を拠点にボクシング・ルール戦で活躍するJFCSアジア&日本ウェルター級王者・琥珀(BONE CRASH)が所属するジム。SNSにもそのチラシの投稿が配信された。
ところで何故ブラジルなのか。ブラジルと言えば、かつてエリオやヒクソン、ホイラー、ホイスといった柔術のグレイシー一族が道場破りを繰り返したことが知られているが、それと因果関係はあるのか?
琥珀に取材をしてみると「コロナ禍で強くなる秘訣は、在日ブラジル人との切磋琢磨にある」という持論を話した。
コロナ禍で外国人ファイターを呼ぶのが難しい状況下で、彼らとの切磋琢磨を求める日本人ファイターたちも多い。琥珀もその一人だ。
琥珀が格闘技を志したのは20歳を過ぎてから。日本ボクシング連盟の山根明・前会長が立ち上げたWYBC(ワールド・ヤマネ・ボクシング・チャンピオンシップ)の世界ヘビー級王者、高橋知哉と幼馴染であることがきっかけで、幼少期から家庭環境に恵まれず、「不遇だった人生を見返したい」という一念発起だったという。上を目指して頑張るも、時折、挫折しかけると、しばしば励ましてくれたのは、日本へ裸一貫で出稼ぎに来ていたブラジル人たちだったという。
「僕はネガティブになりがちだったんですね。そこでブラジル人たちはいつも、ラテンのノリと言いますか、お金がなくても楽しく生きる。友情や家族愛。色んなことを教えてくれました」
琥珀はここまで10勝1敗と好成績だがKO勝利がまだない。そこで高橋に勧められたのも、ブラジル人とのスパーリングや試合経験だ。
「ブラジル人たちってテクニックが未熟でも、パンチが重くて思わず気持ちが後ろに行ってしまう。高橋が“ひるむな”って言うんですけど、確かにここで立ち向かっていれば、自ずとこちらもパワフルになってノックアウトに結びつけられるんじゃないのかと感じるようになりました」
この張り紙の甲斐あって、ボクシング経験豊富なブラジル人ファイターとのスパーリングを約束できたとのことだ。
日本人同士との勝負では得られない強さを身につけるための訓練。それが外国人との対戦だと琥珀は悟っている。
先月、大阪で行われた格闘技イベント『HERO’S ACF61st』で、“日本人対ブラジル人”を軸としたMMA、グラップリング、ボクシング、プロレスの計18試合が行われた。ボクシング・ルールでは琥珀(BONE CRASH)がハドソン・ノロンニャ(フリー)に延長戦の末、3-0の判定勝ちを収め、JFCSアジア・日本ウェルター級王座を獲得したばかり。
どんなブラジル人が来るかわからない、道場破りを誘う練習、危険もあるが、互いに向上し、様々な格闘技イベントにも挑戦して欲しいところだ。
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