【極真会館】ロシアからの求道者・コバレンコが優勝、海外勢王者は2014年以来
国際空手道連盟 極真会館
第52回オープントーナメント全日本空手道選手権大会
2020全日本女子空手道選手権大会
2019年11月29日(日) 東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ
今大会は無観客にて開催され、試合の模様はインターネットで無料ライブ配信された。
全日本(男子)では、唯一の外国人選手コンスタンティン・コバレンコ(25=総本部/ロシア)が、決勝で西村界人(26=東京城北)を破り、優勝を獲得。
全日本大会は一時海外選手に奪われていたものの、2016年から日本選手が王座を続けていた。しかし今回、海外勢へ奪われることに。
その裏には、第二シードで日本人選手筆頭とされていた星龍之介(本部直轄浅草道場)の三回戦敗退という波乱もあった。
星は三回戦で昨年の全日本ウエイト制軽量級・4位の奥寺勇輝(東京城西)に上段前蹴りの技ありを取られ敗退。ベスト8に残ることなく姿を消した。
全日本女子では、昨年の世界大会で無差別級ながら軽量級の体格で準優勝した、佐藤七海(22=東京城西国分寺支部)が優勝。3年後の世界大会優勝に向け、早くも照準を定めた。
▼全日本 決勝
○コンスタンティン・コバレンコ(総本部)
延長1回 判定 5-0
●西村界人(東京城北)
コバレンコは昨年の世界選手権ではロシア代表で5位に入賞。現在は日本の総本部で練習しており、今回は総本部所属として出場している。準決勝では石崎恋之助(東京城西)を下段回し蹴り一本勝ちで仕留めている。
対する西村は元ラガーマンで、身長188cm、体重107kgを誇るパワーファイターの26歳。昨年の世界大会では5回戦まで進出、ベスト8まであと一歩につけていた。
本戦、体格で勝る西村は飛び込んでは後ろ蹴り、胸へのストレート。細かいステップで接近戦を挑むコバレンコに対して、回り込みながらローキックを放つ西村。
後半、細かい突きからローキックはコバレンコ。西村も前蹴りで突き放すが、コバレコはかわしては接近戦に持ち込む。ラスト30秒、コバレンコが連打で前進すると、西村は焦ったか、顔面殴打で注意を取られる。
前半は西村が若干優勢、後半コバレンコが攻めた本戦は、1−0コバレンコで延長戦へ。
延長、コバレンコはインロー、アウトローを細かく入れる。ラスト1分、コバレンコの手数が多くなるのに対し、西村は顔面殴打の反則。
止まらないパンチ連打でコバレンコが攻め、西村は後手にまわりがちだ。最後にまたも西村が掴みの反則を行い、試合終了。
旗は5本全てコバレンコに上がり、ロシアからの修行者が全日本大会を制した。
優勝者インタビューでコバレンコは、ロシアの師範、他選手や総本部スタッフなどに感謝を述べた後「自分には責任があった。ロシアの人たちもオンライン配信で応援してくれていたし、現在は総本部の指導員としてやっているので、総本部としての責任も感じていた」と、ロシアと総本部2つを背負っての戦いだったと言う。
さらに「今回の結果をステップとして、技術的にも体力的にも練習して目標としている3年後の世界大会に挑む」と、世界大会優勝への飛躍を目指すとした。
▼全日本女子 決勝
○佐藤七海(東京城西国分寺支部)
本戦 判定 4-0
●鵜沢菜南(千葉下総)
佐藤は18年の世界女子軽量級を制覇し、昨年の世界大会で無差別級ながら軽量級の体格で準優勝を果たしている。対する鵜沢は163cm、65kgと、佐藤より身長では7cm、体重では10kg上回る。今大会はノーシード枠から勝ち上がってきた17歳だ。
本戦、佐藤は左右へ回りこむダイナミックなステップで、胸、腹へのパンチ。さらにインローと細かく打ち分ける。体格で勝る鵜沢は圧力をかけつつ、パンチ主体で押しこもうとするが、佐藤はパンチをもらってもすぐに左右へ移動。佐藤が翻弄している印象に。
中盤、鵜澤のパワフルなインローが入ると、佐藤の足が宙へ浮く。しかしそれでも動きを止めない佐藤は、ローを中段ヒザ蹴りへと変え、離れては上段前蹴りも狙う。
判定は本戦4-0で佐藤。最後まで手数を切らさずペースを作った佐藤が優勝を勝ち獲った。
優勝者インタビューで佐藤は「(新型コロナの影響で)対人稽古は思うように出来ない時期も続いていた」としながらも「そのかわり何が出来るのか考え毎日練習していた」と語る。続けて「この結果に甘んじることなく、稽古を重ねもっと強くなりたい」とさらなる研鑽を積むとした。
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