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【極真会館】全日本52年の歴史上初の不戦勝で優勝、新王者西村は悔しさ吐露=前王者が準決勝で反則

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2022/04/18(月)UP

全日本で史上初の不戦勝優勝となった西村の表情からは喜びの表情は無い

 4月17日(日)『第53回全日本大会』が東京体育館にて行われ、前回準優勝の元ラガーマンのパワーファイター、西村界人(東京城北)が初優勝を果たしたが、何とこれが全日本52年の歴史で初の不戦決着となった。
 西村は188cm、110kgの巨体を生かし、技あり、一本で勝ち上がってきたが準決勝では前回6位で19年の全日本中量級優勝の加賀健弘(城西)に大苦戦。加賀の強烈な胸への突きからの連打対し、ヒザ蹴りのカウンターでなどで返すも互角の展開に。再延長戦で3-0で競り勝ちようやく決勝進出を果たし、今度こそと決勝に備えた。
 しかし、もう一方の準決勝では大きなアクシデントが起こったのだ。

【フォト】コバレンコが顔面に反則のパンチ!その瞬間、山川の苦悶の表情

準決勝第一試合、西村は加賀(右)の突進にヒザ蹴りのカウンター

 この大会2連覇を目指すロシア出身のコンスタンティン・コバレンコ(総本部)だったが、山川竜馬(東京城北支部/前回5位)のヒザ蹴りで一瞬動きが止まるも、徐々に回復しパンチで追い上げる。するとコバレンコの突きが、山川の顔面にパンチが流れダウン。極真のフルコンタクトルールでは手による顔面攻撃は反則技だ。山川はしばらく倒れていたため、試合場を降り検査に。顎がしっかり閉じず骨折か脱臼の可能性があり、ドクターストップ。コバレンコは反則負けとなり。山川が不戦勝となった。

顔面に反則のパンチがヒット!山川が怪我で再起できず

 決勝戦は山川がドクターストップのため決勝に上がれず、この53回を重ねた全日本では初の不戦勝優勝となり西村が初戴冠した。さらに準決勝で反則負けとなったコバレンコも3位決定戦には参戦不可能(反則負けのため)。よって加賀が不戦勝で3位に。1位から4位までの順位が不戦勝により決定する形となった。

 西村は試合後「決勝は戦えずに勝利したのは残念。心身ともに鍛え直し秋の全日本では真の王者になりたい」と優勝も悔しさをにじませた。

大会終了後、挨拶をする松井館長

 この結果に松井章奎館長は、試合後の囲み会見で「上位4名はアクシデントで順位が決まる極真史上初めての事態になった」とし「忸怩(じくじ)たる思い」と語った。しかし競技ルールではある以上は仕方のないことと話し、コバレンコには「彼の不注意、自らの拳の軌道がコントロールできていない」とし、今年秋の全日本へ再び王座戴冠に向け練習し挑んで欲しいと語った。

松井館長は加賀を評価、西村の突きを手のひらで受けながら下段蹴りで返す加賀

 さらに上位4名は横一線だったとし、中量級の体格で3位に入賞した加賀健弘には「西村と真っ向からぶつかり合うのは稽古を積んでいる証拠。しかし、大きな選手に対しもっと加賀を活かせる組み手があるのでは。全日本、世界を制する可能性を秘めている」と期待した。

 松井館長に反則による決勝の不戦勝決着に、特別に敗者復活などの選択肢はなかったのか聞くと、ルール上は無いと回答。編集部の方でオリンピック競技となった世界空手連盟のルールや事例でもこのような場合は同じく敗者復活戦は行わない模様だ。スポーツとしての決められたルール上のものだが、極真のような素手による直接打撃制の場合、過去に顔面殴打による失格で両者試合ができない(一方がドクターストップ)事例もあり、何らかの対策は必要になってくるかもしれない。

 この大会は昨年秋に行われるはずの全日本がコロナ禍で延期となり、今回無観客で行われた。そして今年秋には全日本選手権、来年の世界大会の選抜戦となる。また、来年は大山倍達の生誕100年。世界大会はその記念すべき大会となる。

 なお、女子では佐藤七海が2連覇を達成、来年の世界大会を狙う。

【第53回オープントーナメント全日本空手道選手権大会】

優勝した西村。左の2位の山川の代わりに、西村と山川の師範である川本英児支部長が立った。3位は加賀(右)

優勝/西村界人(東京城北支部)NISHIMURA KAITO
準優勝/山川竜馬(東京城北支部)YAMAGAWA TATSUMA
3位/加賀健弘(東京城西支部)KAGA TAKEHIRO
4位/コンスタンティン・コバレンコ(総本部道場)KONSTANTIN KOVALENKO
5位/清水祐貴(東京城北支部)SHIMIZU YUKI
6位/佐藤拓海(東京城西支部)SATO TAKUMI
7位/石﨑恋之介(東京城西支部)ISHIZAKI KOINOSUKE
8位/飯塚 翼(東京城北支部)IIZUKA TSUBASA

敢闘賞/飯塚 翼(東京城北支部)IIZUKA TSUBASA
試割賞/西村界人(東京城北支部=28枚)NISHIMURA KAITO
新人賞/岡部慎太郎(東京城西支部)OKABE SHINTARO

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