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【9月・ベストファイター】クレベルに勝利した金原正徳「100%以上出せた」日本のMMA界に危機感も

 毎月イーファイトのサイト名にちなんで、より良い試合をした選手に贈られる、GOLD’S GYM Presents格闘技月間ベストファイター賞。2023年9月のベストファイターは、2023年9月24日(日)さいたまスーパーアリーナにて開催された『RIZIN.44』の[RIZIN MMAルール:5分 3R(66.0kg)]でクレベル・コイケ(ブラジル/ボンサイ柔術)に判定勝利した、金原正徳(リバーサルジム立川ALPHA)に決定した。(2023年10月19日UP)

PROFILE

金原正徳 Kanehara Masanori

1982年11月19日生まれ(40歳)東京都出身
身長 172cm、体重 66.0kg
元SRCフェザー級王者
リバーサルジム立川ALPHA 所属
戦績(MMA) 50戦31勝(11KO・10S)14敗5分

 03年にDEEPでプロデビュー。その後、ZST、修斗、PANCRASEでも戦績を残し、09年の戦極フェザー級トーナメントで優勝して初代戦極(SRC)フェザー級王者に。同年大晦日には、山本“KID”徳郁に判定勝利。14年からはUFCにも参戦した。

 RIZIN初参戦となった20年2月、ビクター・ヘンリーに敗れ一時は戦線を退くも、その翌年10月からフェザー級に転向すると芦田崇宏、摩嶋一整、山本空良に3連勝。波に乗る中、23年9月に元王者クレベル・コイケと対戦し見事に判定勝利を収めた。

選考理由
1、RIZINで日本人では誰も勝てなかったクレベルに勝利
2、40歳、プロデビュー20年のベテランの技術でコントロール
3、下馬評では大きく不利も勝利し会場を大きく沸かせた

選考委員
格闘技雑誌Fight&Lifeとイーファイトの全スタッフ

 受賞された金原選手には、ゴールドジムより以下の賞品(アルティメットフレキシジョイントUC–Ⅱ 1個、マルチビタミン&ミネラル 1個、アミノ12パウダー 1個)と、イーファイトより記念の盾が贈られます。

アルティメットフレキシジョイントUC-Ⅱ®

非変性Ⅱ型コラーゲン(UC-Ⅱ®)に、MSMやユニベスティン、キャッツクローを配合したサプリメントです。

マルチビタミン&ミネラル

100%自然素材を使用したビタミン&ミネラルサプリメント。着色料、香料、保存料は一切使用しておりません。

アミノ12パウダー

BCAAなど体内で合成できない必須アミノ酸を8種類配合。身体作りに好適なアルギニン、オルニチン、グルタミン、グリシン配合。飲みやすいオレンジ風味。

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贈呈:ゴールドジム

ベストファイター記念インタビュー

 日本人選手が元RIZINフェザー級王者のクレベル・コイケを倒したのは実に14年ぶり、そしてRIZINでは初の快挙だった。今年11月に41歳を迎えるベテランの金原正徳が、9月24日(さいたまスーパーアリーナ)開催の『RIZIN.44』メインイベントで劇的な勝利を収めたのだ。

クレベル(右)に判定勝利した金原(左)

 戦前の下馬評では双方を推す様々な声が上がっていたものの、RIZINで鉄壁の強さを見せるクレベルに、多くのファンはクレベル優位を予想していた。しかし、実際は金原のワンサイドゲーム。1Rはクレベルにテイクダウンを奪われギロチンチョークを仕掛けられる場面はあったものの、金原はスタンド打撃で主導権を握ると、2R、3Rは逆にテイクダウンを奪い、得意のトップゲームの展開に。マウントからのパウンドやバックテイクなど、劇的な圧勝に会場から大歓声が上がった。

■勝因は「自分を信じる気持ち、100%以上のものを出せた」

 金原に改めて試合を振り返ってもらうと「厳しい試合になるのは予想していました。でも、覚悟を決めて、自分を信じてリングに上がれた。100%以上のものを出せたと思う」とその勝因を語ると、その“自分を信じる”ということについて「全てを信じるということです。自分の何がいいとか、その仕上げた内容が良いとかではなく、言葉通り自分自身。本当に自分の今までやってきたものを最後に信じる気持ちを大切にしていて、そこは結構大きかった」と満足した表情を見せた。

開始早々に金原のパンチがヒット

 2005年4月のプロデビューからあと1年半ほどでキャリア20年を迎える金原だが、RIZINに辿りつくまで、ZST、戦極、DEEP、UFCなどで並み居る強豪達と凌ぎを削った50戦(31勝14敗5分)のキャリア全てが今回のクレベル戦に詰まっていたのだ。

 戦前、一番に注目されたのは金原が如何にしてクレベルの“寝技地獄”を凌ぐのか。しかし、金原が一番に警戒したのは実はスタンドでの展開。「(スタンドで)パンチをもらったりして、投げられてグラウンドに持っていかれるのが怖かった。パンチをもらった自分が嫌がってタックルに行ったところを投げられたり、ダースチョークを極められたりするのが怖かった」と、特に最初のスタンド打撃での攻防に注意を払っていたという。クレベルの寝技自体には対応できる自信はあったが、クレベルに打撃でダメージを負わされてしまうと、そこからの展開でのクレベルの武器に対処できるのかと警戒していたようだ。

的確にクリーンヒットを連発させた金原

 クレベルのスタンド打撃を警戒した金原だったが、実際はこの攻防で優位に立ったのは金原だ。クレベルの荒いスイングでのパンチをかわしながら、的確にクリーンヒットを連発させ、スタンド展開での主導権を完全に握っていた。その中で目立ったのは、1Rに金原の右がクリーンヒットした場面。「ちょっと浅かったんですが、クレベルがすごく嫌な顔をした。それでも、(クレベルが)『効いてないよ』という素振りを見せたので、『嘘つけよ』という感じで指差しました」と笑顔で振り返る。

▶️次ページは「金原のワンサイドな展開の中でも、一瞬ヒヤリとした場面も」

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