井上尚弥のKOの右、なぜ見えない?シャッターも押せない悩ましき技
5月5日(日本時間)、井上尚弥(大橋)のラスベガス戦まで残り3週間である。米大手プロモーション会社トップランクは、連日、井上尚弥のKOシーンをSNSで公開している。
筆者は会場で井上の試合を何度も撮ってきたが、ダウンシーンの多くはノーモーションのショートの右ストレートだ。肘を伸ばさず、近距離で少し体を捻るだけのわずか一瞬のパンチ。0.0数秒の突然の決定打は、なかなかシャッターを押すタイミングを与えてくれないのだ。
この右ストレートは、構えた距離から腰を捻り、打ち下ろす。肘をほぼ伸ばさない。相手は体捌きかパンチか一瞬で見分ける必要があるだろう。トップランクの映像には、20年10月ジェーソン・モロニー戦でその右ストレートのKOシーン。それを見た読者が18年10月、WBSSのファン・カルロス・パヤノ戦も引用し、「同じ右だ」とその映像を流す者もいた。
このパヤノ戦も超接近戦の右だった。左ストレートからチョンと体を捻っただけの右だったが、相手は崩れKOとなった。筆者はスタンドから望遠で撮影していたが、これが偶然にも打ち抜いたKOの瞬間が撮影できた。試合は1Rまずは見合っていた。そして井上が動いた瞬間にシャッターを押した。するとそれが超接近距離のKOパンチとなった。試合開始からわずか70秒だった。KO写真も嬉しかったが試合中の井上のパンチ写真はその1枚のみ。それだけでも残すことができてホッとした記憶がある。
さらにトップランクのSNSでは、23年12月マーロン・タパレス戦のショートの右ストレートでのダウンシーン、さらには23年7月、スーパーバンタム初戦のスティーブン・フルトン戦では、これもショートの右で大きくグラつかせ、左フックでダウンさせたシーンも公開されている。
この悩ましき右を写真で撮ることにプレッシャーを感じてしまうが、それを撮るには、相手のパンチに対するカウンターとなることが多いため、相手が動いたと思えば瞬間的に連写でシャッターを切るしかないだろう。そこで井上はパンチを出してくれるかどうか。井上から攻めたらどうする?ともかく膨大な写真の数になりそうだ。5月5日の井上戦が楽しみでならない。(吉倉拓児)
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