「これ寸止め空手?」「反則では?」相手を”悶絶ダウン”させた横蹴りが技あり!極真空手との違いは?
東京オリンピックで採用された伝統派空手(全空連)は一部で”寸止め空手!”とも言われているが、横蹴りで悶絶ダウンで技有りの動画が大きな反響を集めている。
この蹴りを決めたのは男子60kg級の組手で世界ランク1位の橋本大夢(24)。自身のインスタグラムにダウンの瞬間を投稿した。今年1月のパリ国際大会、橋本の横蹴りは2ポイント(技あり)となり、最終的に勝利を収めた。
「これは反則なのでは!」と思われがちだが、寸止めと言えるのは顔のみ。胴は怪我を与えない程度のコントロールされたものはOKで綺麗に入れば技ありとなる。大人(一般)は当てないとポイントにならないのが一般的だ。
【フォト&動画】横蹴りで悶絶ダウンを奪う瞬間、これが技ありに!
ダメージを目的とせず、当てるも引きがあり、蹴り込まなければコントロールされていると判断される。しかし、それのほうがダメージが多い場合も。極真などのフルコンタクト空手との違いは?
1969年に初の全日本大会を開催した極真空手は打撃格闘技の祖とも言われKOを認めた直接打撃制のフルコンタクト空手だ。対して全日本空手道連盟(全空連)も同年に全日本を開催し、寸止め空手ルールで開催されてきたが、現在では胴に対しては道着の下にプロテクターをし直接打撃も可能になっている。
すると、その違いは何か、簡単にまとめると極真(フルコンタクト空手)はダメージを与えて倒すのが目的で、伝統派はダメージは与えずポイントを獲得するのが目的となる。そのため伝統派は攻撃は当て込まず(蹴り込まず)引くことが重要となるが、蹴りも突きも引いた方が当たりの瞬間衝撃度が高くなる場合もあり、打撃格闘技でのKOが多い。ポイント制とはいえダウンが出るのも納得だ。
◼️競技において攻撃が可能な技の違いは
【胴(ボディ)への打撃】
フルコン=突き、蹴り全般可能
伝統派=突きは直突き(ストレート)のみ可能。反則はヒジ、ヒザ蹴り
【顔面(頭部)の攻撃】
フルコン=突きは反則、蹴り込みは可能
伝統派=突き(ストレート)のみ可、蹴りとも寸止めなら可能(スキンタッチ可)
【足へローキックの攻撃】
フルコン=可能
伝統派=反則
【投げ】
フルコン=反則
伝統派=片手で掴んでの投げは可能
以上のルールによって、試合では伝統派は距離をとって一発でポイントを獲得していくのに対し、フルコンは接近戦での連打からの蹴りなどでダメージを与えKOを狙っていく傾向にある。
【胴は打撃可能 全空連のルールブック】
全空連公式サイトのルールページに胴については「相手を負傷させずに、技をコントロールできていれば得点になる」とある。ポイント制であるが、KO制ではないためコントロールした上で胴に当ることができる。そのため、選手たちは怪我の無いよう胴にプロテクターを着用している。
また胴に対し「打撃を受けた相手が息を切らしても、コントロールの欠如を示すものではない」とあり、相手が結果的にダウンしても故意ではない限り技有りとなることも多い。胴は当たった音がしないとポイントはなかなか取ってくれないのだ(ただし、ジュニアは強く当てると反則を取られることが多々ある)。
顔面についてはスキンタッチまではOK。寸止めといえるのは顔面のみだ。
安全性を高めるため、道着の下に薄い胴プロテクターをつけ、拳やスネなどにもプロテクターが義務化されている。これはもはや寸止め空手とは言えないだろう。
【動画を投稿した橋本選手は注目の若手】
橋本は2023年、2024年の空手1プレミアリーグにおいて年間チャンピオンの座を獲得し、2年連続で世界ランキング1位に輝いた。2025年もその勢いは衰えることなく、これまでに開催された3大会では、パリ大会で5位、中国大会で3位、そしてエジプト大会では見事に優勝を飾っている。
次戦は5月30日より開催されるプレミアリーグ・ラバト(モロッコ)。ここで優勝すれば、3年連続の年間チャンピオンの可能性が高くなる。橋本にとっては、まさに大一番となるだろう。
8月には、オリンピック競技に含まれない種目を対象とした国際大会「ワールドゲームズ」が控えている。この大会は1981年より4年に一度行われる準五輪の位置付けだ。そして11月には、世界の頂点を争う世界選手権が開催される。
橋本大夢は、まだ世界選手権のタイトルを手にしていないが、その安定した成績と実力から、空手界では「世界王者に最も近い男」として大きな期待が寄せられている。2025年、今年こそ橋本が世界を掴むのかに注目が集まる。
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