朝倉未来vs鈴木千裕は、なぜブレイクにならなかった?審判団が解説
5月4日(日)東京ドームにて開催された格闘技イベント『RIZIN男祭り』の朝倉未来vs.鈴木千裕戦は、パンチを顔面にもらった鈴木が左目上を負傷し、朝倉の3R TKO勝利で幕を閉じた。
だが、この試合は1、2Rに朝倉が寝技でトップポジションをキープしたシーンが続き、ネット上で“なぜブレイクがかからなかったのか?”と意見も。これを受けて一般社団法人日本MMA審判機構(JMOC)が昨日14日、公式YouTubeチャンネルにて見解を公開した。
【フォト】朝倉が鈴木に強烈なパウンド攻撃!審判団の解説動画も
検証動画に参加したのは、豊永稔氏、植松直哉氏、福田正人氏、橋本貴氏の4名。試合映像を見ながら2R終了までの寝技のブレイクのタイミングについて、それぞれが意見を出し合った。
試合は、1R開始数十秒で両者の打撃の交換があり、朝倉はテイクダウンを狙いに行く。そのままコーナー際で寝技に入り、朝倉が上、鈴木が下の展開に。豊永氏は「朝倉選手のテイクダウンというよりも、鈴木選手が引き込んだ印象もありました」と見解を示した。
そして、コーナー際での寝技の攻防。リング外へ出る可能性があったため、「中で戦うように促しました」と豊永氏は振り返る。問題は膠着か攻防をしているかの判断だが、1R序盤について植松氏は「特別何かを仕掛けているようには見えなかった」と言い、「パスガード、パウンドを仕掛けているのは朝倉選手。鈴木選手は立とうとしたり、サブミッションは仕掛けていませんでした」と守りに徹していたと見ていた。
当日の試合のレフェリーを務めた福田氏は、「1ラウンドは、そこまで“アクション”をかけていないですね」と違和感がなかった様子。豊永氏は「鈴木選手は抱き着いてヘッドロックしているような状況。朝倉選手は試合を動かそうとしている印象でした。この状態でブレイクのスタンドアップになると、鈴木選手が有利になるかもしれない」と説明した。
ちなみにレフェリーが声をかける“アクション”は、攻防をしろという意味があり、それでも進展がないと判断された時にブレイクとなる。
1ラウンドを終えて植松氏は「朝倉選手が試合を作ろうとしていて、その攻撃は効果がある。頭をあげてパウンドを打ったり、パスガードを狙う動きもある。下からホールドされていて、上も抵抗できないのであればブレイクの対象ですけど、自分がレフェリーでもこの時点でブレイクはできないかなと思います」と述べた。
橋本氏も「私も上から押さえつけている朝倉選手が、距離を作ればパウンド、密着すれば足を抜きにいく動きをしていたかなと思います」と続いた。
2Rは、開始から激しい打ち合いになる。だが、ここでも1Rと同じようにコーナー際で朝倉が上になり、鈴木が下で守る展開に。豊永氏は「1Rよりも動きが少なくなった印象ですね」と膠着へ傾いていることを感じたという。試合中に福田レフェリーは「アクション」と叫び、攻撃を促していた。
ここでブレイクがかかるかと思われたが豊永氏は「朝倉選手は、アクションをかけたら必ず動きを入れるんです。パスガードを狙ったり、顔をあげてパウンドを打とうとする。よく分かっているなと思います」とルールをうまく活用していたと指摘。
さらに植松氏は「朝倉選手のパウンドは、一発一発が強い。ボディ打ちとかも重い一発を入れている印象がある」と確実にダメージを与えていたと判断し、他の試合と比較した時のブレイクのタイミングの難しさを明かしていた。
豊永氏は「立ち技での打ち合いは、勝負がどう転ぶか分からない。でも寝技は、鈴木選手が相手に抱き着いているだけ。そうなると、寝技でブレイクをかけてしまうと(鈴木の有利な展開を)補助することにつながる」と語った。
福田レフェリーは2ラウンドが終わった際に、「同じような展開が続くようであれば、ブレイクが早くなる可能性がありますよ」と朝倉陣営に伝えたという。それが3R目の激闘につながり、朝倉の打撃で鈴木が負傷してのTKO決着につながることとなった。
今回の検証動画を見ると、フラットな立場で公正に状況を判断した上でのレフェリングだったことは明らか。またブレイクのタイミングの難しさを、あらためて知る機会になった。
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