”伝統派空手の高速打撃”中野大輝がK-1に次ぎ2連勝!課題は?どこまで勝ち上がれる!?
5月18日、エディオンアリーナ大阪で開催された「Krush.175 ~in OSAKA~」にて、2月のK-1に続きプロ2戦目の中野大輝(26=TAD)が延長に及ぶ激闘を制し、連勝を飾った。
中野は五輪にも採用されたポイント制の伝統派空手出身。相手は関西のキック団体RKS暫定王者の新太。中野は本戦(3R目)でダウンを奪われたものの、空手特有の当てさせない間合いと、懐に入る踏み込みからのパンチとミドルキックで試合をリード。本戦をドローに持ち込み、延長判定3−0で中野が勝利した。
昨今、伝統派空手の選手からプロ格闘技に転向し活躍する選手も出てきている。果たして中野はどうか。
【フォト&動画】中野の高速の突き、グサリ刺さる蹴り!そしてカーフキック映像も!
通常ダウンを奪われると2ポイントを取られてしまうため、3R制のキックルールでは勝つのは難しい。その状況でダウンを奪われた本戦を引き分けに持ち込めたのは、入らせない間合い、飛び込み突きの速さ、強烈なミドルとカーフキックで1、2Rでポイントを取っていたからだ。延長もそのペースを崩さずに勝利した
中野は「パンチで取りに行った。空手の距離からパンチを当ててポイントを稼いでいた。ダウンを取られたけど、パンチが当たっていたから延長にいけた。延長に行けば勝てると思っていた」と試合後に語った。伝統派ならではの鋭い踏み込みと独特の間合い感覚を活かした。
さらに、試合ではミドルキックも目立ち、快音を響かせていた。得意の“ワンツー中段蹴り(ミドルキック)”は、彼が所属した空手の強豪校・浪速高校の伝統的な必殺技である。それは浪速高校空手部に代々受け継がれる技である。中野は空手時代から一貫してサウスポー構えを取り、その技術をキックでも貫いている。
「大輝のワンツー蹴りは、浪速高校の歴代チャンピオンたちも得意技。今井謙一監督が教えた秘伝の技なんです」と関係者は語る。空手で会得したその技をプロのリングでも多用し、勝利を重ねているのだ。
◼️中野の空手での活躍、そしてプロ転向、課題も
中野は高校時代、インターハイを制覇。進学した近畿大学では全日本個人3位、団体2位という成績を収め、2020年には日本代表ナショナルチーム入り。-67kg級で世界ランキング7位に名を連ねたが、2024年8月に空手を引退し、キックボクシングへの挑戦を表明した。
引退前の7月には、東京五輪代表で浪速高校のアドバイザーを務める植草歩が指導していたインドネシア・バリでの練習に参加。3週間にわたる合同稽古を積み、その後は単身でタイへ武者修行に出向くなど、空手を活かしながらプロキック転向を見据えて動いていた。
今回のKrushの勝利でプロ2戦2勝無敗とした中野は、「自分が強くなることで、伝統派空手をもっと有名にしたい」と、自身のベースとなった空手の素晴らしさを伝えていきたいという。
課題は「今までの空手はポイント制で技が軽い。しっかり体重を乗せたパンチを打てるようにすることと、近距離の対応」という。
確かに中野のパンチが多くヒットしていた。しかしパワーヒットが少なく軽く見える。このヒットする技のままで、体重が乗せることができればKO率も上がってくるだろう。
伝統派空手出身で現在、活躍する格闘家は日本人では元RIZIN王者の堀口恭司やDEEP王者・野村駿太、五明宏人などMMA選手が占める。彼らは中野が現在持っている課題を克服し活躍している。しかし近距離対策はMMAの場合、組んで防御しながらグラウンドで攻めることができるが、キックではそれができないため、近距離は打撃での攻防の対策が必要だ。またMMAグローブと伝統派空手のグローブの大きさはほぼ同じだが、キックボクシングは大きく重い。それに慣れるのも必要だ。
中野は今年2月のK-1MAXで相手を右フックなどでダウン寸前にまで追い込む圧勝、それから3ヶ月後の今大会Krushで接戦を制し勝利。次戦の3戦目までにどこまで課題を克服し勝利することができるか。伝統派エリートがキックでどこまで勝ち上がるか注目したい。
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