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【ボクシング】河野がV2、亀田はダウンを喫し引退発表

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2015/10/18(日)UP

王座防衛に成功した河野(左)と、4階級制覇に失敗した亀田(右)

 米国シカゴのUICパビリオンで、現地時間の15日、WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチとして、河野公平(34=ワタナベ)vs亀田興毅(28)の12回戦が行われた。

 亀田が日本ボクシング界から追放処分を受けていたため、この試合は当初から海外での開催が模索されてきた。一度は白紙になり、一度は延期になったこの試合の前日計量。両者が並んでの撮影の際、プロモーターに睨み合いを指示されると、亀田は自身がテレビCMに起用されているチョコレートバーを河野に手渡した。ボクシングファンでなくてもその名が知れ渡ったヒールらしい挑発パフォーマンスだが、印象に残ったのはむしろ、何の気なく受け取ってしまった河野だったかも知れない。

夫人と勝利を喜ぶ河野

「俺におじけづいていたし、まさか受け取るとは思わへんもん」
 直後の囲み会見で呆気に取られていた亀田。こうした王者への“茶化し”は試合発表中の乱入時からあったが、河野は口下手でお返しするようなユーモアを見せられない。しかしこのやり取りは、亀田が虚勢を張り、河野がリラックスしているようにも見えていた。

 そもそもこの試合は、亀田が勝つと思われた試合だった。それが数字で示されたのが海外でのオンラインカジノのオッズ。最終的には6対1まで縮まったが、9対1で挑戦者の亀田有利と出た試合だったのだ。ところが有利を知った亀田は「負けろと思われているほうがラク」と否定的で、河野は「そのほうが燃える」と肯定的。さらに「じゃあ自分に賭けちゃおうかな」と真剣に考えた様子さえ見せていた。

 試合では、まずは亀田が左ストレートを叩き込んだ。「こんなにパンチが重いとは思わなかった」と焦った河野だが、気を取り直して得意の接近戦に身を投じていく。

試合後、現役引退を表明した亀田

 勝敗を大きく左右したのは2R。亀田に左ボディブローで肝臓をえぐられた河野がダウン寸前に追い込まれ、相手の腕を抱えて必死にしのごうとする。ここで執拗なボディ攻めに入った亀田は、うっかりローブローを河野に当ててしまった。倒れた河野に裁定はスリップ。小休憩が取られたことを河野は「腹が効いていたので、むしろラッキーブローだった」と試合後に打ち明けている。

 ローブローの減点は取られなかったが、再開直後、河野が会心の右ストレートで亀田からダウンを奪いキャンバスに沈めた。続く3回には、亀田が頭の低さで立て続けに減点を2度与えられ、これが両者の精神状況を大きく揺さぶったようだ。

 中盤以降も両者はやや荒々しく、時にフットワークを刻みながら打ち合いを続け、現地の記者たちも「コイツらは何発のパンチを出そうとしているんだ!」と感嘆したほど。

 そのなかで、河野はバランスを崩すシーンが多く、亀田は左目の上を大きく腫らしていたため、採点にどう響くかと読みづらかったが、採点では、115-109、116-108、113-111。3者とも河野の防衛を支持する結果となった。

 判定後は挑戦者から歩み寄って、リングで握手をかわした両者。控え室の前で亀田は「この試合で辞めるつもりだったから、いい試合ができてよかった」と選手引退を表明した。河野は「死に物狂いで戦って、勝てたからにはまた海外で戦いたい」と野心を燃やしながらも、「そういえば帰国便、亀田君と一緒なんですよ。大丈夫かな」とリング上とは一変し、再び引っ込み思案な素顔に戻っていた。

文=善理俊哉
写真=(C)ボクシングモバイル 

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