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“社会貢献ファイター”志朗が、子どもたちや被災地に寄付を続ける理由「試合で結果を残せば、支援も広がる」

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2021/08/07(土)UP

■支援の原点はタイでの経験「子どもが一番被害に遭いやすい」

ムエタイ殿堂・ルンピニースタジアムでKO勝利する志朗=18年1月

 志朗はプロデビューした2010年から、タイの小児HIV施設や乳幼児院、視覚障害者学校などに寄付や浄水施設を作るなど、タイの子どもたちへ継続的な支援を行っている。

 志朗は中学卒業後、単位制高校に進学しつつ、単身ムエタイ修業のためにタイへ渡航。バンコク最大のスラム街・クロントイ地区にある名門ジムに住み込み、現役のムエタイ選手と寝食を共にしながら厳しい練習に励んできた。

 共に暮らす若いムエタイ選手は、貧しい地方から出てきて、家族に仕送りをするために戦い続けているファイターも多い。またタイでは子どもでも賭けマッチに出場する。小さい時にジムへ売られてきて、勝てなくなり稼げなくなると他のジムへ売られる選手もいたと言う。

 志朗は「(ムエタイ選手やスラム街で知り合った人の中には)タイ語をしゃべれるけど、文字を書けない人も多い。渡タイしたばかりの時、皆で宅配ピザを頼もうとして、メニューを読めない人がいて衝撃を受けた」と振り返る。「子どもが一番(貧困の)被害に遭いやすい」と、次第にタイの子どもたちの状況に関心を持っていった。

たくさんの支援物資をタイの子どもたちに贈る志朗

 仏教国であるタイでは、寺院に金銭や日用品を寄付する文化がある。同じジムのムエタイ選手たちも、寺院への寄付を日常的に行っていた。志朗もまた「外国人である自分を受け入れてくれ、プロモートなど支援もしてくれたジムやタイの人たちにお返しをしたいという気持ちもあった」と恩返しの気持ちが芽生えていたと言う。

 ある時、現地の知り合いからHIVに母子感染した孤児たちの生活施設があると聞いた志朗。支援者とご飯や物資を一緒に持っていき、子どもたちと交流していくことが支援を始めるきっかけになった。現在はコロナ禍で訪問は出来ないが物資を送るなどし、現在に至るまで10年間継続支援をし続けている。

■国内外の困難者たちに「何かできることはないかと思う」

小児施設に浄水装置を設置した志朗 すごい大きさだ=14年

 このHIV小児施設では、池の水でシャワーを浴びるため、皮膚炎を起こしている子どもが多くいた。そこで志朗が浄水施設を作ろうと思い立つと、志朗の実父の故郷である熊本県の人たちから寄付が行われた経緯がある。
 志朗はその時の感謝や、また自身がファイターとしても応援を受けてきた恩返しとして、熊本に支援を行っている。

 16年に起きた熊本地震の際には、被害が大きかった阿蘇のほうにボランティアへと出向き、自身のファイトマネーの一部や試合会場で呼びかけた募金などを被災地へ寄付。また昨年11月には山都町をはじめとした市町村に、那須川天心挑戦者決定トーナメント賞金のうち100万円を寄付するなどしている。

 今年3月には、志朗の居住するさいたま市の地元に、一人親家庭など子どもたちの食への支援をする団体(フードパントリー)があると知り、熊本の米などを購入し寄付を行った。6月にも寄付は行われ、8月8日にも3回目の支援を行うとのことだ。

 志朗は「(フードパントリーは)タイのエイズ小児施設に似ているなと思う。日本でも困ってるという実態を知らなかったので、何かできることはないかと思った」と語る。

さいたま市のフードパントリーに寄付を行う志朗(今年6月)

 さらに「熊本県のものを埼玉県に送る事が出来て、こういう繋がりが出来るのが一番だと思う。続けていきたいし、継続しないと意味がないと思うので」とタイや熊本への支援と同じく、埼玉のフードパントリーや福島の子ども食堂への支援も続けていきたいとする。

[RISE DEAD OR ALIVE 2020 -55kg]制覇に続き、-53kgトーナメントでも優勝候補筆頭の志朗。その強さの理由の一つは、人との繋がりを大事にし、他人の苦境に動ける気持ちの中にもあるようだ。

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