【柔術】中井祐樹が日本柔術黎明期のマル秘エピソードを語る
10月31日(水)東京・神田神保町の書泉グランデ7Fイベントスペースにて、日本ブラジリアン柔術連盟(JBJJF)会長でパラエストラ東京代表の中井祐樹(48)とJBJJF事務局長・理事でデラヒーバ・ジャパン代表の浜島邦明(41)による対談イベントが開催された。
このイベントはブラジリアン柔術教則本『中井祐樹の新バイタル柔術』(日貿出版社)の発刊を記念して行われたもの。
中井は高校でレスリング、大学では七帝柔道を学び、プロ修斗参戦を目指し上京。その後、修斗世界ライト級王者まで登りつめた。また、『VTJ 95』では1回戦のジェラルド・ゴルドー戦で反則のサミング攻撃で右目を失明し、パンチを上から浴びせられながらも執拗なヒールフック(ヒールホールド)で勝利。続く2回戦では45kgも重いクレイグ・ピットマンに腕ひしぎ十字固めで一本勝ち。決勝戦では”400戦無敗”ヒクソン・グレイシーと戦い一本負けを喫した。この大会での失明が原因で総合格闘技を引退。ブラジリアン柔術に専念することになった。
浜島とはパン柔術選手権、世界柔術選手権では共に戦った戦友でもあり、当時の大会を振り返って「会場のブラジル人たちは完全に日本人を敵視していましたよね。勝ち上がる中井さんを必死に潰しに来ていました。会場の雰囲気も緊張感がありました。当時のトーナメントは操作されてたんだと思いますよ。インストラクターなど実力者を中井さんに当てて勝ち上がるのを阻止しているように感じました。でも中井さんがみんなやっつけてくれましたよね」(浜島)とのエピソードも。
中井は「前大会で優勝したんだけど次も同じ帯(帯でクラス分けされている)で出場していいのか?とIBJJFにメールで問い合わせると、『いや、上の帯で出場してください』と回答がありましたね」と言い、「直接教わったことのないへウンソン・グレイシーから青帯と紫帯を、カーロス・グレイシーJr.から茶帯と黒帯はもらっていますからね。完全にグレイシー一族に取り込まれていることになります」と、グレイシー一族から帯をもらって試合に出ていたという。
また、「過去に直接教えたことのない実績や実力のある方に帯を出してきたのは、こうした経験があるからです。IBJJFの規約が変わりアカデミー所属(アソシエーションが同じ)生徒以外に帯が出せなくなりましたが”誰にだって自分の柔術を作ることができる”というメッセージだったんです。今世界で活躍している橋本知之選手の徳島柔術や岩崎正寛選手の草柔会は、私が地方で帯を出していないと現れなかったわけですよ」と、その経験が生きたエピソードも。日本柔術界の父と言われる由縁である。
現在、中井はQUINTET(桜庭和志が主宰するグラップリング5vs5勝ち抜き戦の大会)で審判委員長を務め、JBJJF事務局の広報担当でトライフォース柔術アカデミーゼネラルマネージャーの新明佑介はJBJJFからの派遣で主審や運営を行っている。
中井は「9月のAmateur QUINTETは盛り上がったよね。グラップリングがここまで盛り上がったのは2000年のADCC日本予選以来じゃないかな」と言い、11月に『全日本ノーギ選手権』が行われることから「日本もアメリカ同様、ノーギ(道衣を着用しない柔術の呼称=グラップリング)が盛り上がって欲しいよね。その鍵はQUINTETが握っているかもね」と話した。
そして最後に「この本を参考にして子供・女性・老年まで、自分の柔術を発見してもらう手助けにしてほしい」とのメッセージを送った。
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