【ボクシング】もしもメイウェザーをマクレガーが蹴ったら、莫大な金額の訴訟に
“無敗で五階級制覇”のボクシング・レジェンド、フロイド・メイウェザーJr(アメリカ)と、“UFC史上初の同時二階級制覇”を成し遂げたコナー・マクレガー(アイルランド)のドリーム・マッチが正式決定した。8月26日(土・現地時間)にラスベガスで対決する両者の試合はボクシング・ルールで、両者とも10オンスのボクシング・グローブをつけて12R戦うことになる。
マクレガーはUFCでいつも4オンスのオープン・フィンガー・グローブをつけて戦っているので、10オンスのボクシング・グローブ着用では“必殺”の左ストレートの威力が半減するかもしれないが、それ以上に厳しいのは、パンチ以外の武器が一切使えないことだろう。
1976年に行われたアリvs猪木戦では、猪木は投げやミドルキック、ハイキックは禁じられたが、脚への蹴りは許可されていた。そのため、猪木は自らマットに寝ころび、スライディングするようにしてアリの脚を何度も蹴りまくって内出血させ(のちに“アリ・キック”と呼ばれた)、試合後アリは脚を痛めて入院するほどの深手を負った。
今回のメイウェザーvsマクレガーではタックルや投げ、関節技はもちろん、蹴りも一切使えない。
ただ、メイウェザーの相手はこれまでに試合でヒザ蹴りなどを出してくる選手もいた。アルゼンチンのマルコス・マイダナがそうだ。メイウェザーの高度なディフェンス技術に手を焼き、イラついたマイダナは、メイウェザーにヒザ蹴りや頭突き、ローブロー(金的打ち)を入れたのだ。
ボクサーのマイダナのヒザ蹴りはそこまで威力がなかったようで、結局メイウェザーは判定勝ちしているが、これがUFC王者の蹴りとなれば、軽いダメージでは済まされないだろう。
だから、今回のメイウェザーvsマクレガー戦では契約書に、もし蹴りを出した場合の規定が書いてあるという。
「(マクレガーは蹴りを)絶対出さないよ。まず第1に、契約書に書かれている」とデイナ・ホワイトUFC社長は6月14日(日本時間15日)の電話記者会見で明言した。「第2に、これはネバダ州コミッションが定めるボクシング・ルールでの試合なんだ。メイウェザーのような男を相手に、訴訟になったらどうなると思う? コナー(・マクレガー)はお金が大好きだ。もし蹴りを出したら、コナーは恐ろしいほど莫大な額の金を払わねばならないことになるだろう」
今回の対戦を正式に契約するにあたって、メイウェザーのチーフ・アドバイザーであるアル・ヘイマンとUFC、そしてPPV(ペイ・パー・ビュー=有料視聴放送)を行うTV局「ショータイム」が契約書を作る際に、メイウェザーは、この試合は純粋なボクシングの試合であり、マクレガーが総合の技術を使えるようなミックス・ルール的な物には絶対しないように、と強く主張したという。
したがって、メイウェザーの神がかりなほどのディフェンスのうまさに業を煮やしたマクレガーが、蹴りとかヒジ打ちなどを出すという事態は起こりそうにない。
なお、この試合で両者は1億ドル(約111億円)のファイトマネーを、それぞれ手に入れると予想されている。
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