【訃報】オランダ格闘技の祖、ジョン・ブルミンが死去
格闘技王国・オランダを築いた柔道家・空手家のジョン・ブルミン極真武道会・会長が12月17日(現地時間)に他界した。ブルミン氏のオフィシャルサイトが伝えた。85歳だった。
空手やキックボクシングの無かったオランダに最初に伝えた人物としても知られ、現在の格闘技王国オランダの祖とも言われている。
ブルミンは1933年2月6日、オランダ・アムステルダム生まれ。1957年にヨーロッパ柔道選手権で優勝。「アントン・ヘーシンクより強い」とも言われたが、当時のオランダでは柔道の組織が統一されておらず、弱小団体所属という理由で国際大会へは出場できなかったと言われている。
1959年(昭和34年)に講道館で柔道を修行するため来日した際、柔道と並行して池袋にある小さな町道場だった大山倍達が指導する大山道場(後の極真会館)に入門。ここで3年間修行したのち、1962年(昭和37年)に帰国しオランダで「オオヤマ道場」を設立。空手と柔道を教え、オランダに空手が広まる。
その後、大山道場師範代だった黒崎健時(後にキックの名門・目白ジム設立)が1966年(昭和41年)に11ヶ月間オランダで指導、キックボクシングの技術も伝え、オランダに格闘技がさらに広がるきっかけとなった。
このオオヤマ道場(1980年からは極真から独立し極真武道会となる)は、数多くの格闘家が学び、育った。柔道五輪金でプロレスで猪木とも対戦したウィリアム・ルスカを始め、サンボのクリス・ドールマン、キックボクシングの名トレーナーのヨハン・ボス、チャクリキのトム・ハーリック、大道塾とKー1を制したセーム・シュルトとそうそうたる面々でブルミンは優れた指導者でもあった。90年代にオランダへ取材に行った記者の話によれば、どこのジムや道場に行っても、極真の創始者である大山倍達と師範代の黒崎健時の写真が飾ってあったという。
梶原一騎原作の劇画『空手バカ一代』でもブルミンが登場。極真会館総本部が完成時、オランダからやってきた空手留学生で“喧嘩十段”芦原英幸のライバルとして描かれた。
物語は黒帯研究会で芦原が決闘を申し込み、もしブルミンに自分が負けた時はブルミンを手裏剣で殺し、自分も自殺するというストーリーだ。
勝負は死闘の末に引き分けに終わり、お互いの力を認め合って親友になるという結末で描かれている。
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・「猛者たちの凄すぎるエピソード vol.5 ジョン・ブルミン」
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