【極真会館】4年ぶりに日本人の全日本王者が誕生、外国人から奪還
国際空手道連盟 極真会館
「第45回オープントーナメント全日本空手道選手権大会」(2日目)
2013年11月3日(日)東京体育館
波乱が連続した今年の全日本大会を安島喬平(あじま・きょうへい/茨城県常総支部)が制し、4年ぶりに日本人の全日本王者が誕生した。2010年、2012年と2大会連続で外国人選手に全日本王座(無差別級)を奪われている日本勢が、4年ぶりに王座を奪還することが出来るかどうかが今大会のテーマ(2011年は全世界大会を開催)だったが、安島が見事にその大役を果たしたのである。
優勝候補がドクターストップで欠場するという波乱の幕開けとなった今大会だが、2日目にも大波乱が待ち受けていた。優勝候補の2013年全世界ウェイト制中量級優勝・森善十朗(東京城西支部)が、4回戦で高校生の上田幹雄(横浜北支部)に上段ヒザ蹴りでまさかの一本負け。
もう一人の優勝候補、2013年全世界ウェイト制軽重量級準優勝の鎌田翔平(東京城西支部)は、今年の全日本ウェイト制重量級準優勝キリル・コチュネフ(ロシア)に再延長戦の末に敗れ、準々決勝で姿を消した。
準決勝に進出したのは、準々決勝でロシアの18歳の新鋭デビッド・シャルコシャンを破った安島とコチュネフ、準決勝で再延長戦の末に上田を破った2013年軽量級世界王者の小沼隆一(下総支部)と昨年の全日本王者アレハンドロ・ナヴァロ(スペイン)の4名。
安島はコチュネフと再延長戦まで戦って決着がつかず、体重判定(その場で計量を行って10kg以上の差があった場合、軽い方の勝ちとなる)でも差は無く、試し割り判定(3回戦の前に拳、カカト、ヒジ、手刀=チョップの4種目で板を割り、その合計枚数の多い方が勝ちとなる)で安島が勝利。
出場選手の中で最も身長が低い(164cm、体重は70kg)小沼は、身長180cm・体重92kgのナヴァロに果敢に挑んでいったが延長戦で力尽き、ナヴァロが2年連続の決勝進出を決めた。
安島の初優勝か、ナヴァロの外国人初となる2連覇か。両者は接近戦での突き合いを展開したが、延長戦で安島が後ろ蹴りをヒットさせると一気に突きと下段廻し蹴りでラッシュを仕掛け、ナヴァロの手数を上回って判定勝ち。全日本王座を日本に奪還した。
安島の師匠である鴨志田裕寿支部長は、「彼は少年部の時からある程度実力を発揮していて、高校を卒業して茨城県常総支部の内弟子一期生となりました。負けん気が強く、しっかり稽古を積み重ね、そこに本人の持ち味が加わった成果が今回発揮できたと思います」と愛弟子の優勝を喜ぶ。
そして、「北関東からは初めての全日本王者となったわけですが、茨城だからとか地方だからとかは関係ありません。出来る範囲で環境作りをして、それに安島自身が応えてくれてしっかり稽古した結果です。指導する我々も本気で育てていこうとして環境を作ってあげれば、地方支部でも関係ないのです」と語った。
松井章圭館長は、「レベルの高い面白い大会になったと思います」と大会を総括し、「安島選手はよく頑張りましたが、試合内容を見ると反省材料がある。しかし、それを克服すればさらに強くなれるでしょうから、ノビシロのあるチャンピオンだと言えます。彼の強みは耐久力。表彰式の時もダメージで足を引きずることなくスタスタと歩いていました」と安島を評した。
また、森を倒した上田については「もしかしたら優勝するのではないかという思いが脳裏をかすめました。まだ甘いところはありますが、再来年の世界大会では日本の中心的戦力になると思う。我々も期待したい」と高評価していた。上田は7位に入賞したほか、技能賞と新人賞も獲得している。
試合結果
優 勝 安島喬平(茨城県常総支部)
準優勝 アレハンドロ・ナヴァロ(スペイン)
第3位 キリル・コチュネフ(ロシア)
第4位 小沼隆一(下総支部)
第5位 鎌田翔平(東京城西支部)
第6位 イヴァン・メゼンツェフ(ロシア)
第7位 上田幹雄(横浜北支部)
第8位 デビッド・シャルコシャン(ロシア)
敢闘賞 中村昌永(兵庫・大阪南支部)
技能賞 上田幹雄(横浜北支部)
試割賞 ニコライ・ダヴィドフ(ロシア)=22枚
新人賞 石崎恋之介(東京城西支部)
上田幹雄(横浜北支部)
中島千博(東京城北支部)
イヴァン・メゼンツェフ(ロシア)
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