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 10月20日(日)東京・後楽園ホールで開催された『TRIBE TOKYO FIGHT~長南亮引退興行~』にて、引退試合を迎えた長南。最後の試合にして24勝5敗の戦績を誇り、郷野聡寛、白井祐矢といった日本人実力者を破っているダン・ホーンバックル(アメリカ)に挑み、判定5-0の完勝でDEEPウェルター級王座を奪取した。37歳という年齢、長年にわたる激闘のダメージを抱えつつ、長南はいかにして勝利までたどり着いたか?(取材日:10月25日)
※試合レポート=「長南亮、完全燃焼の引退試合でタイトル奪取」

PROFILE
長南 亮
(ちょうなん・りょう)
1976年10月8日、山形県出身
身長175cm、体重80.0kg
TRIBE TOKYO MMA所属
※詳細は選手名鑑へ→

第1章 練習でも試合でも全てを出し切った集大成だった

ーー10月20日に引退試合を終えた、今のご心境はいかがですか?

「心境の変化はあまりないです。とりあえず宣言通り、全部出し切ることが出来たなって感想くらいで、名残惜しさもほとんどありません。それよりも、今はプロ選手をいっぱい抱えているのでそちらの方へ意識は移っています」

ーーもう試合をやることはないんだな、という寂しさも感じていませんか?

「そんな感傷に浸っている余裕はないくらい、ジムに選手も会員さんもいっぱいいて忙しいです(笑)。これが通常なんだなって感じていますね。ジムのことをやりながら現役を続けるのは大変なことだったんだなって思います」

ーーもう試合の映像はご覧になりましたか?

「いえ、まだ見ていません。忙しくてそれどころじゃないんですよ。ジムの指導も翌日から再開したくらいですから。自分の試合前は清水(清隆=スーパーフライ級キング・オブ・パンクラス)たちに指導をお願いしたり、練習でアメリカに行ったりしていたので、その分、今度は自分がサポートする側に回って指導しています」

ーー引退試合が決まってからその日を迎えるまで、どういう日々を過ごしていましたか?

「練習以外にも主催者としてプロモーターの仕事をしていました。交渉ごとや各関係者とお話をしたり、ファイトマネーを決めたり、マッチメイクをしたりと。書類も自分で作りましたからね。ジムに負担をかけたくなかったので、ジムのこともやりつつやっていました。

 でも、そうなると練習がままならなくなってしまい、最後の試合なのにこんなことではダメだと思ったので、アメリカに行くことにしたんです。海外逃亡させてもらいました(笑)。メールや電話では日本とやり取りしていましたが、100%練習だけの生活にしましたね。あとは寝ること。日本にいると睡眠があまり取れなかったので。

 大会2週間前に帰国してからはもの凄く忙しかったですけれどね。大会の準備をしながら、自分の最後の追い込みで1日1回は必ず練習をして、また大会運営の仕事をして……という感じでした」

ーーアメリカにはどれくらいの期間行かれていたんですか?

「9月25日から2週間です。ダン・ヘンダーソン(元PRIDEウェルター&ミドル級王者)のジムへ行きました」

ーー現役時代、何度も行かれていますね。久しぶりのダン・ヘンダーソンとの練習はいかがでしたか?

「やはり強かったですね。寝技が凄く強くなっていました。あのトシ(43歳)でも進化していて、この人は普通の人間とは違うんだなって感じましたね(笑)。自分は今のアメリカのファイターたちとけっこうやり合えたので、そこは自信になりました。アメリカに行く前は不安だった部分がいろいろあったんですけれども、“あ、これなら大丈夫かな”と。

 ウチのジムとキックボクシングのジムにしか行ってなかったので、外の風をあまり浴びていなかったというか。たくさんいろんな選手がジムに来てくれていましたが、自分からどこかに出て行って練習してみたらどうなのかなってところがあったので、その不安が解消できてよかったです。

 あと今回は、最後の追い込みの週に高阪剛さんのところへ久しぶりに行きました。そこでスパーリングをさせてもらったら調子がよかったので、自信になりましたね」

ーー試合後に「全部出し切った」と言われていましたが、練習も今までの集大成のような形だったんですね。

「そうですね。練習でも全て出し切るという感じでした。怪我をしなかったのが一番よかったですね。まあ、かなりの大怪我をしても出るつもりでいましたけれども」
・・・
第2章 年齢を重ね、怪我と向き合ってたどり着いた練習方法

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