【ボクシング】ワタナベジムが休業で赤字も、試みる”コロナとの防衛戦”
新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言が解除されるまで、加盟ジムに営業自粛を求めた日本のプロボクシング界。それ以前から、5月15日までの国内試合がすべてキャンセルになるなど、この業界もかつてない窮地に立たされてきたが、実際の現場はどんな対応を取っているのか。
東京・品川で、内山高志や現在では京口紘人など多くの名世界王者を輩出してきたワタナベボクシングジムの渡辺均会長に聞いた。
ワタナベジムは緊急事態宣言が発令された今月7日を最後に、営業を停止している。それまでは東日本ボクシング協会の指示に従って土日を休業し、平日も窓を開放して暖房による送風を続けることで、空気が密閉されない営業を心がけてきた。
「ジム経営は会長一人でやれるものではありませんから、選手やマネージャーからの意見もよく聞き、コロナを勉強しました。新型コロナにも有効だと言われる次亜塩素酸も早い時期から取り入れています」
試合を控えた選手に関しては、近々、良識的な範囲で練習を認めさせるが、それまでにグローブなどの用具消毒を徹底するほか、本格的な営業再開後も渡辺会長曰く「練習生の時間帯を分散することも試みたい」と警戒に事欠かない。また「いい機会だから」と、すでにトレーナーがペンキを塗り替えるなどのリフォームを始めているという。
5月9日に大浜体育館(大阪・堺市)でアンディカ・ゴールデンボーイ(インドネシア)を相手に行うはずだったWBA世界ライトフライ級スーパー王者・京口紘人(ワタナベ)の3度目の防衛戦をはじめ、多くの所属選手の試合が中止になった。また、ジム会員から払われる月謝が止まったため、光熱費や家賃、トレーナーの給料などによる赤字が百万単位でジムにのしかかろうとしている。
だが、渡辺会長に心折れた様子はない。それは「ボクシングジムの会長は日頃からハプニングをくぐり抜け続ける運営を覚悟しているからだ」と言う。これまでも不動産経営などで得た収益を資本に、数々の世界戦を組んできた。安定生活とは無縁の大波に耐え抜いてきたと同会長は振り返った。
「今回の新型コロナで求められているのは、精神力ではなく抵抗力や対策力。チャレンジャー精神よりもしっかり防衛する力だと思っています。ウイルスという見えない敵に勝つために、己の心身だけではなく、ボクシングジムのコンディションをしっかり強化させていきたいですね」
新型コロナが収束したのちには、さらにたくましいジムになっていたいと、今年で70歳を迎えたジム会長は野心をのぞかせるように語った。
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