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■今後の格闘技コンテンツはこうなる

ーー今後の格闘技コンテンツの展開はどのようなことを考えているのですか?

田邊 さらに拡大していきたいと考えています。ネットサービスのいいところは、視聴に関するデータが取れ、それをすぐに確認することができ、明日にでも明後日にでも編成や番組に反映したり、方針を変えられる。そのスピード感が元々サイバーエージェントの持っている強みでもあるので、それを生かして素早くコンテンツの質を判断をしながら調達を行っていきたいと思ってます。

ーー個人的な意見として、こういう格闘技を放映したいというのはありますか?

北野 僕は海外のものを増やしていきたいですね。これは僕自身がそう思っているだけですが、いち格闘技ファンとして、僕のような長い間見ている、詳しいと自分で思っている格闘技ファンって「幻想」みたいなものが好きなんです。

 例えばONEのビッグマッチのレポートを雑誌で見ると、実際には観たこともないのに想像力で楽しめるんですよね。でも、そういう幻想みたいなものは、このサービスで全部なくしたいんです。全部放送を実現して、「観たことがないけれど凄いらしい」みたいなものを全部なくしたい。例えば今、話題となっている中国のキックボクシングなんかもやってみたいです。

ーー例えばラウェイとかは?

北野 いいですね。僕はバンゲリングベイに通っていて、寒川(直喜)さんがラウェイの試合に出てボコボコの顔になった写真を拝見したことがあるので、恐ろしいという印象しかないですけれど(笑)。

田邊 映像として面白いものを常にやっていきたいです。絵映えするコンテンツってあると思うんですよ。音楽が冴えているとか、会場にも人が溢れていて熱気が伝わって、映像が綺麗でエンタメとして、ショーとしても成立しているとか。そういったものはAbemaTVとの相性も非常によいのではないかと思います。

ーー絵映えという意味では女子格闘技はどうですか?

田邊 ひとつ変り種で「ランジェリーファイティング」というのがありました(笑)。海外で、女性が下着姿で本気で戦うというものです。

北野 けっこうMMAをちゃんとやっている感じがするんです。売込みを受けたんですが、最近の中では抜群に面白かったです(笑)。話を戻しまして、女子格闘技も角度によっては面白いと思います。いいイベントとのめぐり合いがあればやりたいですね。

女子格闘技はキラーコンテンツとしてなり得るのか

 インヴィクタのようなものや、ONEでもアンジェラ・リーvsV.V.Meiがありましたけれど、ああいう試合が今後も増えていく団体があればぜひお話をお聞きしたいです。そういうものからランジェリーファイティングまで、格闘技ファンには斜めに見られてしまうかもしれませんが、なんだこの組み合わせは、と言われるようなことをやってみたいですね。

田邊 斜めに見られるかもしれないけれど、マスメディアを目指しているABEMAだからこそ、そこにチャレンジしていきたいと思っています。まずは一度見てもらうための興味っていろいろな切り口がある。単純に格闘技のド・コアファンにだけ刺さるようなコンテンツでは格闘技好きのパイが広がっていかないと思うんですよね。

 僕も格闘技を観て素直にとても面白いなと思ったので、僕のようなスーパーライト層に広く見てもらうようにするためには、いろいろな切り口での提案が大切かなと思っています。

 また、ひとつだけで伝えていくのは限界があるので、ターゲットによって変えていくことが必要です。男性なのか女性なのか、何歳なのか、他にどんな趣味を持っているのか。ユーザーペルソナによって刺さるポイントが違うんだろうなと思っていて、そのひとつにランジェリーファイティングのようなものがあったり、UFCのようなガチのものがあり、カッコいい選手が揃ったK-1もある。いろいろな訴求の仕方があると思います。

ーー最終的に目指している形はどのようなものでしょう?

田邊 思い描いている理想の状態は、“ABEMAでやっているスポーツがカッコいいよね”と言われることです。それが実現できればすごいことだと思うんです。そういう状態を今後目指していきたいと考えています。

 あとはメディアとして、スポーツ界の盛り上げに貢献できればと思っています。例えば、スター選手をここから発掘するために、選手にフォーカスしたドキュメンタリー番組の制作を行うようなことがいつかできればよいなと考えています。

 ただ、現段階ではオリジナルで制作ができる状況ではないですが将来的にはそのようなこともやっていきたいですね。

 日本でスポーツが盛り上がるひとつの要因は“人”だと思っているんです。テニスだったら錦織選手がいて、フィギュアスケートだったら浅田真央さんがいるからっていうのがあるじゃないですか。格闘技でも同じことが言えると思うので、ABEMAが発掘した人材が一気に注目を集める状態がつくれると、スポーツ界の活性にもなりますし、ABEMAで放送しているスポーツはカッコいいよね、という状態にもなっていくと思います。そういったチャレンジをして行きたいと思っています。

北野 ABEMAはそもそもマスメディアになることを目標にしているサービスなので、いつかマスメディアになったABEMAの中に格闘技が自然に存在しているような、アニメや映画やニュースと同じように自然と存在しているような状態をつくりたいです。

 新聞や雑誌やテレビなど他のメディアよりも、比較的若い人たちが観てくださるメディアであることは分かっているので、そういうサービスの中で、格闘技が自然と人気コンテンツになるというか。過去、格闘技が地上波で頻繁に放送され、多くの人に観られていた時代があったじゃないですか。その延長線上としての格闘技ではなくて、スマートフォンでコンテンツを観るのが当たり前になった時代に、自然にその中での人気者の地位に格闘技、格闘家が存在しているような。

 過去のスーパースターへの敬意はありつつも、それとは関係なく今を生きている、今を戦っている人たちが普通に人気者になっている世界観ですね。我々は過去の延長戦上に未来を考えてしまいますが、リセットした世界観がそこにあり、格闘技が人気になっている状況を目指したいと思います。

 自然にそうなっていったらいろいろな意味で個人としてもファンとしても報われる。ほかのアイドルやアニメや、芸人さんやほかのスポーツやニュースと格闘技コンテンツが競っていき、サヴァイヴしたいです。だから今までの文脈とは全く違うところから人気者が出来たりしたらいいですよね。

ーー頼もしいです。今日はありがとうございました。

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