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【コラム】北米のメガジムにも引けを取らない
日本の重量級トップ選手たちが集まる“虎の穴”に潜入

元WOWOWのUFC中継解説者としても知られる格闘技ジャーナリストの稲垣收(いながき・しゅう)氏が、世界を舞台に格闘技のディープな情報を発信する世界格闘技最前線。

 日本重量級のトップ選手たちが集まって練習している場所が都内にある。
 大晦日のRIZINでミルコ・クロコップと対戦する“世界のTK”髙阪剛、日本人として“UFC最多参戦”の記録を持ちアンデウソン・シウバの王座に挑戦経験もある岡見勇信、元IWGP王者でPRIDEでも活躍した藤田和之、現UFCファイターの中村K太郎や安西信昌(しんしょう)、ZSTウェルター級王者の山田崇太郎(そうたろう)、年末のRIZINで北岡悟と戦う国本“ストラッサー”起一、メルヴィン・マヌーフに一本勝ちした水野竜也、巌流島で2戦2勝のヘビー級・シビサイ頌真(しょうま)……
 この錚々たるメンバーが、大久保駅からほど近い「GENスポーツパレス」内の「GENスポーツアカデミー」(GSA)で、しのぎを削っているのだ。(文:稲垣 收)

■みんなで『一致団結して強くなろう!』

集合写真 前列右から中村K太郎、山田崇太郎、安西信昌、水野竜也、後列左からシビサイ頌真、岡見勇信、国本起一、髙阪剛、右端が藤田和之

 ここはかつて「スポーツ会館」と呼ばれ、レスリングやサンボの選手たちが集い、リングス・ロシアのヴォルク・ハンやアンドレイ・コピィロフらが来日した際、試合前に汗を流した場所でもある。そして現在のGENスポーツパレス内にはK-1ジム総本部道場もあり、まさに“格闘スポーツの総本山”あるいは“日本の虎の穴”とでもいうべき場所になっている。

 しかし、いつ頃からこれほどの豪華メンバーが集(つど)うようになったのか?

「髙阪さんと藤田さんが来られるようになったのは1ヵ月くらい前、11月中旬くらいからですね」と、メンバーの中心的存在である岡見は言う。岡見自身は2016年の春ごろから、ここで練習している。「ずっとやってるうちに、どんどん重量級、ライト級(70.3㎏)以上の選手たちが増えてきたんです」(岡見)

 ただ、メンバーの多くと岡見は、以前からさまざまな場所で、一緒に練習していた。

「山田君と一緒に練習するようになったのは僕がGENに来てからですけど、他のメンバーとは、もう長いことやってますね。以前から、安西君や水野君らとは一緒にやってるし、K太郎とは、もともと(和術)慧舟會で一緒だし。重量級になればなるほど、練習パートナーが限られてくるんで、以前からよく声をかけて集まってたんです」

 しかし、これほどの大人数が一か所に集まって練習する環境は、スペース的な問題もある日本のジムでは、なかなかないだろう。

「そうですね。以前からあちこちで一緒にやっていたメンバーが、こういう素晴らしい環境の場所で一堂に会して、一緒に練習できてるっていうのは、ありがたいです」と、岡見は嬉しそうだ。

「みんなで『一致団結して強くなろう!』って感じです。みんな意識も高いし、トップを目指して頑張ってる選手が多いので、僕自身も、すごく刺激をもらってます」と目を輝かせる。

 UFC帰りの国本起一は大阪が地元だが、今ではGSAでの練習の方が大阪よりも多いという。

「東京と大阪とを往復してますね。東京に3週間いて、大阪に1週間戻って、また東京に来て、って感じで」と、汗だくになったラッシュガードを着替えながら国本は言う。「今年の1月くらいから、ここに来させてもらってますが、ホントにいい練習ができてます。いろんな体格の選手がいて、皆、強さの種類が違うんで。大きい選手とやれば、間合いもリーチも違いますし、なにより体幹が強いんで、差し込まれたら、なかなか……」と苦笑する。「自分のいい体勢で立ち向かわないと、厳しいとこ、ありますね」

広々としたマットスペースの手前では山田(左)を相手に国本が寝技スパー、右奥では髙阪が岡見と、右奥では藤田がシビサイとスパー

 だがそういう練習が、外国人や、今月29日のRIZINでの相手・北岡のようにパワーのある選手と戦う際にも役に立ってきそうだ。

「いや~、すごい役に立ちますよ!」と国本は声を大にして言う。「特に体幹は岡見選手が強いですよね。それに崇太郎選手も体幹がすごい強くて、それにプラスして技術があるんで……もうみんな、スペシャリストなんで」

 たとえばレスリングに関しては、アジア大会5位の実績を持つ安西はスパーリングでも、みごとなテイクダウンを見せ、先輩の藤田が「うまいねぇ、今の!」と唸るほど。中村K太郎は、“裸絞め十段”の異名通り、チョークスリーパーのスペシャリストだ。

「こういう環境で練習できてるってのが凄いことだと思います」と国本は嬉しそうだ。「東京にいる間は、ほぼ毎日ここに来てますね。もうみんな、仲間ですよ。仲間ですけどライバルでもあるんで、みんなで切磋琢磨してます」と、ただの“仲良しクラブ”でなく、競い合い、磨き合う間柄であることを強調する。

 今回の対戦相手の北岡については、「普通にやるだけですね。向こうは寝技系だし、組みたいでしょうけど。別に組まれても、自分は対応できるんで」と、自信をのぞかせた。国本ももともと寝ワザは得意だが、中村や山田との練習でさらに自信を深めたようだ。

 この日のGSAでの練習で国本は、組み技のスパーと、ボクシング・トレーナーを相手のミット打ちを、じっくり時間をかけて丹念に行っていた。

 RIZINという舞台への思い入れについては、「もちろん、日本で名前を売りたいってのは、基本的にあるんで、今回RIZINさんで試合を組んでもらえたことは、すごく感謝してます」と笑顔を見せる。

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