【月間ベストファイター・12月】上田幹雄、極真“ゼロ距離”ヒザ蹴りKOに「最後は空手が助けてくれた」特訓の成果も
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■”前の自分”なら、負けていた
試合は、序盤からキムがボクシング仕込みのパンチを振っては、組みへ。テイクダウンされる場面もあったが、上田は立ち上がり、シングルレッグも切った。
2Rへ進んでも、上田の打撃は落ちることなく、徐々に優勢に。右ストレートで腰を落とさせ、キムにテイクダウンされるも、上田は蹴り上げて立った。
その後も削り勝ち、あの”ゼロ距離”ヒザKOへ持っていったのだ。
上田は「前の僕だったら、2Rのストレートでグラつかせても、あのタックルで逆転負けの可能性もあった。(キムは)無敗なだけあって、”打撃1つ”だけじゃく、強かった」と振り返る。
昨年6月のRIZINで、上田は痛烈な一本負けを喫していた。
”KSWからの刺客”シェミスラブ・コバルチェクに、蹴り足を掴まれテイクダウン、背後からの腕十字で1R2分08秒極められてしまった。
昨年大晦日、スダリオ剛にKO勝利し、”日本人ヘビー級頂上対決”を制した後の敗戦だった。
■かつてKO負けした敵・髙阪剛を”師匠”にした理由
上田は「6月に負けて、一番最初に『師匠が欲しい』と思った。空手時代と同じような環境が欲しい」と感じたと言う。そして髙阪剛氏の名が「一瞬で出てきた」と言う。
忘れもしない、22年4月、上田がMMAデビュー戦で1R TKO負けした相手だ。「自分にMMAを教えてくれた一番の人。髙阪さんしかいない」と直感で”信頼できる”と思ったと言う。
快く練習を引き受けてくれた髙阪氏は「自分の苦手な場所を理解して、スタミナをつけていこう」と提案してくれた。
そして今回一番行ったのは「MMAの5分間の中で、寝た状態から、ひたすら起き上がる練習。ミット打ちを混ぜて、疲れていく中でも、強い技を出せるように」ときついグラウンドの攻防の後、立ち上がっても得意の打撃に即座に移行できる”MMAの肉体作り”だった。
「髙阪さんは『もっともっときついことをやるぞ』と言ってくれる。そのレベルアップが、楽しみでもあり怖さでもある。自分の中で考えていたことが、髙阪さんと答え合わせが出来るようになったことは本当にデカい。不安が無くなった」と頼れる”師匠”を持てたことに喜びと自信を持つ。
幼少時から、道場の中で強さを育んできた。「5歳からやって、身についた方法がある。師範がいて、(岡見勇信など)大先輩もいて。やっと自分の”MMAスケジュール”が出来てきた。最近では後輩も出来て、教えることで身に着くこともある」と20年親しんできた空手と同じ環境になってきたのだと言う。
「髙阪さん(との試合)は、やるべくしてやった相手。今となっては、髙阪さんを引き継いで、日本のヘビー級を強くしたい」と伝承を感じている。
■MMAで、空手が使えるようになってきた
試合前には「こういう場面を絶対に食らう、だからこうしろ」とリアルな試合展開を想定した練習を行ってきた。実際の試合でも「今回は焦りがなかった。セコンドの声も聞こえた。寝かされても冷静で、片膝をつくとか、そのままやってきたことが出た」と上手い試合運びが出来たと言う。
更に自分から組む練習も行った。「前までは組みたくなくて、蹴りやパンチが出来る距離で戦おうとしていた。今回、近い距離では自分から組みに行くことも出来た」とスタンドでの距離感も変わってきた。
その結果が出た。上田は「自分はどちらかというと、空手でも接近戦が得意。組みの展開に慣れてきて、MMAの中でも接近戦の技が出せるようになってきた」と組みを鍛えることで、フルコンタクト空手の技が出るようになってきたと言う。そして接近戦の極み、フィニッシュの”上段ヒザ蹴り”が繰り出された。
上田は「MMAというルールにまた一つ、やってきた空手が使えるようになった」と顔をほころばせるが、MMAの中で空手が使えるようになったのは「グラップリングや柔術をひたすらやってきた」結果とも言う。
次ページは、韓国2階級王者の”強敵”を再起戦にした理由/エドポロキングとの対戦は…
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