【コラム】マクレガーは自分の敗戦をどう見たか?
8月26日(土・現地時間)アメリカ・ネバダ州ラスベガス・Tモバイル・アリーで行われた、ボクシング5階級制覇のフロイド・メイウェザー(40=米国)とUFC同時二階級制覇のコナー・マクレガー(29=アイルランド)による“世紀の一戦”は、メイウェザーのTKO勝ちとなった。勝者メイウェザー側からではなく、敗者マクレガー側から本人のコメントを元にこの試合を分析してみよう。(文:稲垣 收)
All Photos(C)DAZN
■採点を見ると一方的な試合ではなかった
世界中が注目した“世紀の一戦”が終わった――。
8月26日(土・現地時間)にラスベガスのTモバイル・アリーナで行なわれた12Rのボクシング・マッチで、UFC同時二階級制覇のコナー・マクレガーは、無敗で五階級を制覇した“ボクシング・レジェンド”フロイド・メイウェザーに10R1分5秒、TKO負けしたのだ。
それでもマクレガーは49戦無敗のメイウェザーを相手に、一度もダウンすることなく、立ったままの状態で打たれ続けたため、レフェリーが試合を止めたのだった。
試合序盤にはかなり積極的に攻め、メイウェザーにジャブやアッパー、ボディブローをヒットさせるシーンもあった。特に1Rはジャッジが3者とも10-9でマクレガーに付けている。
ジャッジの1人、デイヴ・モレッティは1~3Rをすべて10-9でマクレガーに付けた。日本のDAZNの放送で解説していた宇野薫と千原ジュニアも同様の見立てだ。
しかしジャッジ2人、バート・クレメンツとグィド・キャヴァレッリは1Rをマクレガーに付けたのみで、残り8Rはすべてメイウェザーに付けている。クレメンツはトータル89-82でメイウェザー。キャバレッリは9Rを10-8の2ポイント差でメイウェザーに付け、トータル89-81でメイウェザー。
だがアメリカでこの一戦をPPV(有料)放送したTV『ショータイム』の解説者で、ボクシング取材歴36年のスティーヴ・フェアフッドは、9Rまで86-85の1ポイント差でメイウェザーに付けており、ジャッジのモレッティによる87-83よりも、マクレガーに付けたラウンドが多かった。だから、試合前に多くの人が予想したような“完全に一方的な試合”では決してなかったのだ。
■両者の着弾率の差で驚きの結果が
『ショータイム』の記録によると、マクレガーは10R途中でレフェリーにストップされるまでに111発を着弾させた。一方メイウェザーは、170発を着弾させている。
だが驚くべきはメイウェザーのパンチの正確性だ。 ・・・
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