【日本空手協会】根本敬介が史上最多、6度目の全国制覇
日本空手協会主催、内閣総理大臣杯『第61回全国空手道選手権大会』が6月2日(土)~3日(日)、東京都体育館にて行われた。
今回は、船越義珍生誕150周年、日本空手協会創立70周年の記念大会となった。
昭和23年に設立した当協会は、近代空手の祖と称されている船越義珍を最高師範とした松濤館流の空手団体。昭和33年には日本初の全国空手道選手権大会を開催した。
空手協会のルールは、オリンピック競技となった全日本空手道連盟=全空連の寸止めルール(ダメージを与えない程度のコンタクトは可能)だが、全空連との違いも多い。
全空連は時間内の突き蹴り等のポイントの多い方が勝ちになるが、空手協会は一本勝負ルールといい、一本勝ち、または技あり2つで合わせ一本勝ちすればそれで試合が決する。
また、男子は拳サポーターやプロテクターをつけないところも挙げられる。多少素手で顔面にヒットしてもそれが技あり、一本となるシーンも多く見られた。
更に、片手及び両手での一瞬の掴みからの様々な投げが認められており、そこから一本突きを決める。寝技は無いものの、総合格闘技に近い競技でもある。総合格闘技といえばリョート・マチダはこの協会の空手家であり、UFC世界ライトヘビー級王者となっている。
さて、今大会の男子組手の部「決勝戦」は、6度目の優勝を狙う根本敬介(39=本部推薦)と、15,16年準優勝で初優勝を狙う芳賀裕介(24=指定)にて行われた。
ルールは通常1本勝負だが、決勝は5分3本勝負・2本先取りルールとなる。
一本目はサウスポーで体格の大きい芳賀選手に対して根本選手が上段突きで立て続けに技ありを2本取り合わせ一本で、一本目を制す。
二本目は芳賀が上段追い突きにより技ありをとると、根本が右中段前蹴りで技あり返し一進一退も、芳賀が勢いよく左上段突きを連打で繰り出すとしっかり顔を捉え、技ありをとり芳賀が合わせ一本で二本目を制した。
このルールの二本先取りはポイント加算方式であり、この時点で根本の技ありは3つ、芳賀の技ありは2つ。技あり2つで一本なので、根本があと1つ技ありを取れば二本先取りとなり勝利となる。 しかし、最後の三本目が開始されると、芳賀が一瞬掴んで前手を封じての上段逆突きで技あり。ここで両者技あり3つで並ぶ。
これでどちらかが1つ技ありを取ると勝負が決まるという緊張感ある接戦となったが、最後は根本が前手で封じて右上段逆突きを2連続で出すと芳賀の顔面を捉え技あり。
根本が薄氷を踏む決勝戦を制し通算6度目の優勝、昭和33年から始まった全国大会の組手の部優勝数では、これまで谷山卓也とタイ記録だったが、今回の優勝で史上最多優勝記録となった。
個人戦女子組手の部は、拳サポーター着用で70名のトーナメントが行われた。決勝戦は過去3度優勝している優勝候補の椎名舞(本部推薦)と平成27年3位の髙橋千春(宮城県)が争い、試合後半に髙橋が右上段逆突きで技ありを2つ重ね一本勝ちで優勝。髙橋が初優勝を果たした。
個人戦男子形の部は、五十四歩小を演じた栗原秀元が2度目の優勝。個人戦女子形の部は、五十四歩大を演じた中村彩乃が4連覇を果たした。
【全試合結果】
個人戦男子 組手の部
優勝 根本敬介(本部推薦)
準優勝 芳賀裕介(指定)
3位 吉田昴生、石田一樹
個人戦女子 組手の部
優勝 髙橋千春(宮城県)
準優勝 椎名舞(本部推薦)
3位 今井絢香、三村桃子
個人戦男子 形の部
優勝 栗原秀元(指定)
準優勝 上田大介(指定)
3位 福原秀樹(群馬県)
個人戦女子 形の部
優勝 中村彩乃(指定)
準優勝 中町美希(本部推薦)
3位 松原美咲(本部推薦)
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