【ボクシング】選手登録に2年半、キック女王だった松田玲奈が五輪目指し念願の初陣へ
2016年10月、キックボクシングのリング上で「東京五輪を目指してボクシングに転向します」と発表したキック三冠王の松田玲奈(葛飾ボクシングクラブ)。
あれから約2年半、24歳になった彼女は日本ボクシング連盟での選手登録がようやく完了した。そして8月31日と9月1日に府中東高校(都内)で行われる2019年度全日本女子選手権の東京都予選が初陣となることが分かった。
五輪競技でもあるアマチュアボクシングの選手登録は元プロボクシング東洋太平洋王者の佐藤幸治が松田と同じタイミングで選手登録が認められたが、プロボクシングを除く、元プロ格闘技選手で登録が許可されたのは松田が初となる。
プロのキックボクシングからプロボクシングに転向する選手はいるが、アマチュアボクシングにはいない。松田の選手登録が長引いたのには理由がある。
五輪ボクシングでは、リオ五輪前の2016年6月、プロボクサーの出場が解禁された。松田がボクシングへの転向宣言をする4ヶ月前だ。同五輪では早くも村田諒太(帝拳)との2度の世界戦で知られるアッサン・エンダム(カメルーン)や井岡一翔に初黒星を与えたアムナット・ルエンロン(タイ)、当時無敗だったカルミネ・トマゾーネ(イタリア)、マチュー・ボーダリーキ(フランス)ら、世界ランカー4選手が出場し最終予選を通過。ボーダリーキが男子ライトヘビー級で銅メダルを獲得する快挙を成し遂げている。
しかし、日本では、プロスポーツ選手すべての経験者にアマチュアボクシングの選手資格を禁止した旧来の方針が変わらなかったが、昨年発足された新体制で「半年間の引退期間や活動拠点の往復(他競技との同時進行も)禁止」など、いくつかの条件付きで出場を認める方針に変更された。
松田の所属先の山崎将会長は「これまであきらめずにボクシングに集中的に臨んできたので、ファイトマネーは削りきったが、対策はゆっくりできました」と目前の初陣を見据えている。
6月23日の都内で、松田は選手資格を得るためにシャドウやミット打ちなどを行う「演技の部」に参加。文句なしでトップ成績で合格し念願の選手登録となった。
松田はボクシングへ転向した理由を「キックボクシングに戦う相手がいなくなったこともあります。東京五輪は強い打撃選手が集中する舞台だと思って、ここで戦えることを信じてきました」と語る。キック時代は連勝街道を突き進み、朱里、RENAとルールの枠を超え対戦を希望していた時期もあったが実現せず。ボクシングに戦いの場を求めた。
そして念願のボクシング初陣、全日本の東京都予選への抱負については「パンチのみで戦うことにも経験と自信があります」と、17歳から始めたキックボクシング経験を活かして、日本国内でも実力者がすでに集まったフライ級に殴り込みをかける。
松田玲奈=1994年9月11日東京都出身、17歳でキックボクシングを始め才能を開花させ、ジュエルス、シュートボクシング、レベルス、JGIRLS、蹴拳など様々な格闘技団体に参戦。8戦無敗で挑んだ19歳のとき、J-GIRLSフライ級王者(14年2月)、同年10月に蹴拳女子フライ級王者、15年12月にはWBKF世界女子フライ級王者となったが、その2ヶ月後の試合(16年2月・TKO勝ち)が最後に。8ヶ月後の10月にボクシング転向宣言をした。
キック戦績は20戦15勝(5KO)1敗4分。
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