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【空道】目黒雄太、全日本体力別選手権でV9!驚異の“11年間”王座に君臨

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2025/06/06(金)UP

ヘッドスリップと左腕のガードを伴い、鈴木のジャブに右クロスをかぶせる中上(白)

▼‐250クラス決勝戦
〇中上悠大朗(大道塾総本部)
本戦 効果優勢勝ち ※中上が右フックで効果(1ポイント)を2回、獲得
●鈴木浩佑(小杉道場)

 昨年(2024年)、鈴木浩祐は、大道塾外の団体の所属選手でありながら、柔道弐段とキックボクシングアマチュア全日本大会優勝の技術を活かし西日本地区予選から全日本決勝まで全勝を遂げた。空道全日本選手権の出場権を得る選手は、大半が空道競技のための稽古を専門に行う団体・大道塾の所属選手であるだけに、インパクトを残したわけだが、一方で、鈴木が1回戦なし&2回戦不戦勝により対戦相手より2戦少なく、準決勝を闘うのみで全日本決勝に勝ち上がっていたこと、続く2024全日本無差別で初戦敗退したことなどから「運に恵まれた」という見方もできる状況にはあった。今回、昨年2024U19全日本優勝の熊谷慈英、2018世界選手権-240ベスト4の服部晶洸を連破して、2年連続の決勝進出を果たしたことで、その空道ルールへの適性は、完全に証明されたといってもよいだろう。

 そんな鈴木を決勝で迎え撃ったのは、半年前の全日本無差別を21歳にして制し、一躍日本空道の切り札的存在に躍り出た中上悠大朗。怒涛の勢いで右クロスを叩き込み、効果2を得て、本戦決着で優勝を決めた。7月にブルガリアで開催されるワールドカップへの出場権を得ており「(昨年の世界選手権には戦争の影響で出場できなかった)ウクライナなどの選手と対戦するのが楽しみです。絶対に優勝します。ブッ倒します!」と怖いもの知らずのコメント。心強い。


三角ステップからの伊東の右にたじろぐことなく、打ち合いに応じる曽山(青)

▼‐240クラス決勝戦
〇曽山遼太(大道塾岸和田支部)
延長 旗判定5-0 ※本戦、延長とも、両者にポイントなし
●伊東宗志 (大道塾日進支部)

 高校1年から3年まで3年連続U19 全日本優勝を遂げ、成人のカテゴリーに昇格するや2018世界選手権出場権獲得、その後2023ヨーロッパ選手権優勝、2023世界選手権準優勝、2024ユーラシアンカップではロシア代表と鎬を削り3位と、国際大会で活躍しながら、全日本では、谷井翔太(2021・24優勝、大道塾横須賀支部)、伊東宗志(2022優勝、大道塾日進支部)、遠藤春翔(2021・22準優勝、大道塾総本部)らトップ選手たちに決勝進出を阻まれ続けてきた曽山遼太が25歳となって、初優勝を遂げた。

 かつては、少年ルール(顔面パンチなし)出身者らしく上段蹴り主体の闘いぶりであったが、今大会では、プロMMAの世界でも試合を重ねる谷井とのレスリングにおいても、ハードパンチャー伊東との中間距離での打ち合いにおいても、真っ向勝負。引き下がるところなく、一方で離れての蹴りで攻勢を印象づけ、どちらの試合もノーポイントながら旗判定を制した。

 曽山には3人の弟がおり、いずれも成人~U19 の全日本選手権出場選手。「兄弟で対決することになったら?」という問いには、まったく躊躇なく闘えるとの回答。空道史上初の全日本決勝兄弟対戦が実現する可能性は十分にある。


準決勝での麦谷(青)。水村健太郎に膝蹴りを叩き込む

▼‐260クラス決勝戦
〇麦谷亮介(大道塾行徳支部)
不戦勝 ※林が準決勝で、右拳を骨折し棄権
●林洸聖 (大道塾佐久支部)

 前々回(2022年)、前回(2024年)と決勝まで進出しながら、優勝まであと一歩、届かなかった麦谷亮介。今大会準決勝では、2か月前の関東地区予選決勝で敗れた相手である水村健太郎(大道塾総本部)に肘・膝を浴びせて1つめのリベンジを達成。2つめのリベンジ……昨年の全日本決勝で再延長の末に敗れた相手、林との再戦へ向け、弾みをつけたのだが……。林は、準決勝、永見竜次郎(大道塾安城同好会)戦で壮絶な殴り合いを展開し、効果1つを奪って勝利した代償として、右拳を骨折してしまっていた。

 結果、不戦勝というかたちでの初優勝となり麦谷本人は悔しさを覗かせたが、社会人になってから健康維持目的でキックボクササイズ的なものを求めて稽古に取り組み始め、やがて試合出場を志すようになり、2015年に全日本初出場を果たしてから10年、その間、二人の子どもに恵まれ、日々、保育園に送迎に向かう生活となったなかで掴んだ頂点である。空道の標榜する「社会体育」の体現者として、大いに誇るべき成果といえよう。


襟絞めに対し身体を反転させて逃れようとする渡邊に対し、脚を抱えて動きを封じ、タップを奪った松岡(白)

▼260+クラスリーグ戦
〇松岡陽太(大道塾大田支部)
本戦 一本 ※襟絞め
●渡邊篤史(大道塾岸和田支部)

松岡が襟絞めで一本勝ち

 260+クラスは、3名によるリーグ戦。まず、2019&2021年のこの階級の覇者・奈良朋弥(大道塾青森支部)は、渡邊篤史(大道塾岸和田支部)から効果4つを奪い、効果2つを奪われる壮絶な打ち合いの末に勝利。

 続いて、強豪校の高校柔道部を経て大道塾総本部寮生の経験があり、打撃のフォームやスピードにも重量級らしからぬものをもつ関東地区予選優勝者、松岡陽太が渡邊を試合開始早々投げ捨て、襟絞めで一本勝ち。

 奈良vs松岡の勝者が優勝となる展開となったが、この試合を、渡邊で右拳を骨折した奈良が棄権。松岡が優勝者扱いとなった。


ニーインベリーからのキメ突きから、流れるように腕絡み(いわゆるキムラロック)を決めた小野寺(白)

▼女子-220クラス決勝戦 

〇小野寺玲奈(大道塾帯広支部)
本戦 一本 ※腕絡み
●西田美玖莉(大道塾日進支部)

 昨年2024U19全日本を制し、今大会から北斗旗(一般の全日本)にカテゴリー昇格した西田美玖莉が決勝進出を果たしたが、2023世界選手権、2024全日本を連覇した小野寺玲奈に格の違いを見せつけられた。持ち味である、キレのあるパンチとステップワークでのアウトボクシングを維持しようとする西田に対し、小野寺はファーストコンタクトで組み技に持ち込み、テイクダウン→サブミッションでタップアウト。

小野寺(白)が腕絡みを決める

 ナショナルレベル以上の大会で小野寺が寝技での一本勝ちを収めるのは初だが、フィニッシュとなった腕絡みは、日本柔術界のレジェンド、中井祐樹氏から学んだものとのこと。小野寺は、帯広在住でありながら、東京開催の中井氏による「空道のための寝技技術セミナー」にも参加していたのだ。国内では無双状態となり、世界を制してなお、枯れることのない探求心。来たるワールドカップ、そしてロシア代表が9年ぶりに参加するであろう次回世界選手権において、このパッションがどんなかたちで結実するのか、楽しみでならない。

▶︎次ページは各階級の入賞者一覧、同時開催シニア大会の結果

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