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【吉鷹弘の打撃研究室】連載第56回「無駄がなく理にかなった武尊の戦術」の巻

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 打撃のスペシャリストである筆者が、話題の試合を題材に打撃技術を分析していく連載コラム。今回は12月31日に開催された『RIZIN-IZAの舞』で、ヤン・ミン(中国)をKOした武尊の技術を分析する。闘争本能むき出しの戦いとは裏腹に、そこには優れた戦術・技術があった。

・【試合レポート】K-1ファイター武尊がRIZINでKO勝ち 

■身体的長所とそれに合った技の出し方

 大みそかの『RIZIN』にて、中国人選手のヤン相手に見事なKO劇を演じたK-1 WORLD GP -55kg初代王者・武尊 。今回は新K-1のエース武尊の打撃技術について論じてみたい。

柔軟な身体ゆえにしなりの利いた蹴りが放てる

 武尊は55kgの階級では168cmと長身でリーチにも恵まれ、さらに非常に柔軟な身体を持ち合わせている。 それゆえ、攻撃においては多少手打ちにも見えるパンチにおいても、しなり効果が働くことでインパクトに必然的に威力を生み出すことができ、蹴りにおいても足先だけの蹴りに見えても、しなり効果をパンチと同様、いやそれ以上に効かすことが出来るので、切れるローを放つことが可能になる。

切れるローキック

 普通は腰や軸足の捻り等の螺旋力を用いなければ威力を生み出すことが困難なのだが、素材に恵まれた身体の武尊にはその必要性は全くない。捻りを用いなくてもよいという事は当然、肺の捻りも試合中に限りなく抑えられるのでスムーズな肺呼吸を維持できる。そのためスタミナ浪費も自然と抑制することが出来る(意外に捻り動作が呼吸をし難くしていることは知られていない)。

身体の捻りを最小限に抑えたパンチの打ち方

 さらに捻らない分、打撃の起動から相手を捉えるぎりぎりまで見ながら打撃を放つことも可能となるので、打撃の正確性がより高くなるのである。

 大みそかRIZINでのヤン相手の戦いはまさにその象徴であり ・・・

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吉鷹弘の「打撃」研究室 第56回 内容
■身体的長所とそれに合った技の出し方
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ファン、マスコミは那須川との試合を熱望しているが、私は少し違う

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