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  2009年に宇野薫、門馬秀貴、光岡映二などこれまで主力となっていたメンバーが独立するという激震に見舞われたWKネットワーク。しかし、団体を運営す るGCMの久保代表は微動だにせず、ケージフォースとヴァルキリーを「とうとうと続けていくだけ」と言い切る。いまの日本格闘技界に警鐘を鳴らす久保代表 が、他団体とマスコミに物申す!

■日本は格闘技の先進国だ、みたいな顔をいつまでしているのか

ーー2009年の格闘技界を振り返って、どんな感想をお持ちですか?

「メジャーと言われるようなカテゴリーにあるべき団体が、日本に2つ出来た ことによって非常にハードルが下がり、青田買いのようなことが起きて、今までそこに出られるはずがなかった選手までもが出るようになりましたね。その結 果、当然のようにDEEPさん、パンクラスさん、修斗さん、ウチもそうですが、そういったところで本来メインをはるべき選手が全体的に枯れてしまった。

 その中でDEEPさんがDREAMさんと一番ガッチリと関係が出来ている ので、もしかしたら一番安定しているかもしれない。だからと言って、じゃあDEEPさんが一番お客さんが入っていますかと言ったら、皆さんご存知のよう に、今は選手たちが直接売るチケットの数に頼らざるを得ない状況というのがあると思います。

 この状況は5~6年前のキックボクシングの世界と完全に逆転していると思 います。キックの方が今は選手売りだけでなく、チケットぴあなどの販売数も興行的にいい状態になっていると思われます。下手したらキックの方がMMAより も熱があるのではないでしょうか? 魔裟斗選手の影響なのかHIROYA選手の影響なのかは分かりませんが、キックの会場に女の子が増えてきているでしょ う?」

ーーたしかに多くなってきていますね。

「総合も昔は女の子が多かったんですが、最近は男の子の方が多くなってき て、キックの方が女子の比率が多くなってきているんです。これは確実に一般のお客さんの比率が上がっているということだと思いますよ。女の子の数は一般の お客さんの数を見るのにとても適している材料だと思っています。キックの方が純粋にいい興行をしているところが増えてきているんじゃないですか。RISE さん、Krushさんなどが。この2つはK-1MAXの影響力を上手に使って一般のお客さんを増やしているし、旧態依然としたキックの世界を脱しようとし ていますよね。これは素晴らしいことだと思います。

 総合も昔はキックを凌駕しているような形でしたが、今は逆にキックから学ぶことが凄く多い。だから昔の体質のような興行は、もう終わりの時期が来ているような気がします。

  それを考えると、修斗さんもパンクラスさんもDEEPさんもみんなで話し合って変えて行く時だと思うんですよ。UFCの好調期というのは異常に長くないですか?」

ーーそうですね。

「長いですよね。これは、もうスポーツとして完全にアメリカに定着したと予 想しています。もしPRIDEさんがあの好調期をあと5年続けていたら、日本のMMAは世界の中心地になりえただろうし、日本にMMAはスポーツとして定 着したと思うんですよ。いろんな問題があってなくなってしまったことにより、いまアメリカでUFCが完全に定着してしまっている。

 では、彼らが旧態依然の興行スタイルをとっているかと言えば、ボクシング のスタイルでもなければプロレスのスタイルでもない。完全にUFCのスタイル、UFCのビジネススキームを作り上げているように見えます。僕はアメリカか ら学ぶことがいっぱいあると思っているんです。日本はいいかげんに格闘技の先進国だみたいな顔をいつまでもしていないで、世界から学ぶべきことが凄く多い と思いますよ」

ーー技術的なことだけではなく、興行のやり方も学ばなければ行けない、と?

「その通りです。もちろん日本とアメリカのやり方が全く同じではないから、 日本のやり方を模索しなければいけないけれど、所詮は日本も世界の一員でしかないから彼らを無視して進むことは絶対にあり得ない。青木真也選手がUFCに 出たいとの発言をしていますが、選手としては当然無視できないはずなんです。無視する方が異常なんですよ。

 無視できないなら前向きに取り組んで研究して、彼らに勝つ方法を模索しな いと。いがみ合っている事態ではないと思います、どこもかしこも。日本というひとつの括りで、VS世界で物事を考えて動いていかなければいけない時期はも う来ていると思います。そうしなければ本当に日本のMMAは、世界の中の孤島になってしまう気がしますね」 ・・・

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