【月間ベストファイター・11月】40歳ラジャダムナン初戴冠の石毛慎也、挫折を超えた10年目の栄光
毎月イーファイトのサイト名にちなんでより良い試合をした選手に贈られる、格闘技月間ベストファイター賞。2019年11月のベストファイターは、11月28日(木)にタイ・ラジャダムナンスタジアムのタイトルマッチに挑み、5R KO勝利で40歳にして日本人9人目のラジャダムナンスタジアム認定王者に輝いた石毛慎也(40=LAILAPS東京北星ジム)に決定した。(2019年12月20日UP)
PROFILE 石毛慎也(いしげ・しんや) 98年に18歳でプロデビュー、2001年に初代NKBウェルター級王座を獲得。 |
選考理由
1、ムエタイ2大殿堂の一つ、ラジャダムナンスタジアムの王座を獲得、日本人で9人目
2、40歳にしてラジャダムナンスタジアムの王座獲得は史上初
3、ラジャダムナンのミドル級王座獲得は日本人では初
選考委員
格闘技雑誌Fight&Lifeとイーファイトの全スタッフ
受賞された石毛選手には、ゴールドジムより以下の賞品(アルティメットフレキシジョイントUC-Ⅱ 1個、マルチビタミン&ミネラル 1個、アミノ12パウダー 1個)と、イーファイトより記念の盾が贈られます。
贈呈:ゴールドジムベストファイター記念インタビュー
元NKBウェルター級王者で、現LAILAPS東京北星ジム代表の石毛慎也(リングネーム:シンヤ・ホクセイジム=40)が11月28日(木・現地時間)ラジャダムナンスタジアムのタイトルマッチに挑み、5R 見事左ボディブローでKO勝利。40歳にして日本人9人目のラジャダムナンスタジアム認定王者に輝いた。
ラジャダムナンスタジアムはルンピニースタジアムとともにムエタイの2大殿堂と呼ばれ、両スタジアムが認定する王座はムエタイの世界最高峰のタイトルとして認知されている。そのタイトルを40歳で奪取、それもミドル級では日本人では初の快挙だ。
あれから2週間が経ち、都内・中央区にある石毛が代表を務める北星ジムを訪れると試合に出場する選手たちと共にミットを打つ石毛の姿があった。試合中に古傷の右スネがパックリ割れ、出血しながら戦った箇所にはサポーターが巻かれ、未だ激戦の跡が残る。
石毛を11月のイーファイトのベストファイター(ゴールドジムプレゼンツ)に選びインタビューを行った。40歳での王座戴冠は史上初なのではと聞いたところ「どうだったですかね。あまり聞かないですね(笑)」とそこは本人、意識していない様子。
元全日本キック王者でムエタイジム「キング・ムエ」会長にして、ムエタイ興行も主催する佐藤孝也氏に聞いた。
「40歳という年齢でメジャースタジアムで試合することは普通はあり得ないので、この年齢では初でしょう。基本的に40歳過ぎてムエタイ自体をやっている選手はいないと思います。田舎の地方興行でそれくらいの年齢の選手が出ることはありますが、セーンチャイ(39=ルンピニー4階級王者)ですらメジャーでは若手に敵わないので、ここ何年とメジャーでは試合していません。これまでの初戴冠の最高年齢選手はわかりませんが、セクサン(ラジャダムナン・ライト級王者)の初戴冠は確か30歳だと思います」と語った。
そんな中で石毛は30歳で日本での戦いに区切りをつけ、タイを主戦場にした。憧れであったジャダムナンスタジアムのベルト獲得のためだ。
石毛は98年に18歳でプロデビュー。2001年に初代NKBウェルター級王座を獲得。09年6月、M-1スーパーウェルター級王者クンタップ・ウィラサクレックに挑戦し、判定ドローで王座獲得ならず。10年5月、30歳で自らが会長を務める『LAILAPS東京北星ジム』を都内にオープン。それ以降はタイに戦いの場を移した。
現地で試合を重ねランキングを上げ、2013年3月にようやくラジャダムナン認定スーパーウェルター級タイトル戦に挑戦するもカノンスック・チュワッタナに2RでTKO負け。その後も3度のタイトル戦に挑戦するもいずれも勝利に届かなかった。
16年5月にラジャでワンマッチの試合以降、試合が組まれず、引退も考えたが練習は続けていた。
「2年間、声がかかりませんでしたが、ウエイトトレーニングにも取り組んで、スーパーウェルターからミドル級の身体をしっかり作利ました」と石毛。
そして18年11月に声がかかり158ポンド(71.6kg)契約でラジャのリングでKO勝利、続いて3月、そして9月のラジャダムナンのミドル級(160ポンド=72.5kg)ランキング戦ともにKO勝利。結果ランキング4位に上がり、11月28日にラジャダムナンスタジアム認定ミドル級タイトルマッチが決まった。
■5度目の正直でラジャダムナン王者に
2年のブランクからの復帰で全てKO勝ちで連勝できたのは「迷いがなかった。欲もないし、勝って賞賛されたいなどは無かった」と言う。試合前のブログでも「タイトル挑戦は5度目。ここまでやるとは思っていなかったですがラストチャンス、取って、ケジメつけます!」と決意を述べている。
試合の2週間前に対戦相手の同級2位シアンチャイ・p.l.s.ジム(タイ=siang chai p.l.s.gym)の動画を入手、動きを研究し、圧力をかけ右のボディブローとローキックで行く作戦を立てた。
しかし、試合になると右のボディが全て受けられてしまう。更には古傷の右のスネから出血。右ローキックを嫌がっていたので、それでも右ローキックをやめず、傷が開いても攻め続けた。
右のボディは全て受けられたが、左のパンチは当たった。作戦では右のパンチを狙っていたが、左フックと左ボディだけは当たれば倒せる自信があった。
しかし、15年のラジャダムナンのタイトルマッチでヒジでTKO負けしていることから、相手のヒジを警戒してなかなか踏み込めなかった。事実、ヒジを何発も貰ってしまった。
踏み込まなかったせいで距離もあって、被弾してもうまく流したからか、幸いにもカットに至らなかったが、3R以内の決着を逃した。
▶︎次ページは「ヤバイ! 自身の年齢からのスタミナの問題で動きが落ちてしまう4Rに突入」
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