■廣田、福田、水垣の強みとは?
ーー他の日本人選手の試合もお願いします。
「廣田瑞人(CAVE)vsハニ・ヤヒーラ(ブラジル)戦は分かりやすい打撃と寝技の戦いになるでしょう。ハニはそんなに打たれ強いタイプではないので廣田選手が倒す可能性はありますが、グラップリング(組み技)に関してはトップ中のトップ。ただ、レスリングがそこまで強いわけではないのでこの試合は廣田選手が有利かなと思います。
ハニとは何度か一緒に練習したことがあるので分かるんですが、フェザー級でやるには身体が少し小さい気がします。フィジカル、打撃、レスリングディフェンスで廣田選手が有利。でも自分と練習したのはもう6年前ですし、アメリカをサーキットして練習している人は急成長する。元々、弱い選手ではないのでその後どうなっているかは分かりません」
ーー廣田選手の強みは?
「やはりスタミナを含めたフィジカルの強さ。日本人の中ではトップクラスのものを持っています。それと打撃も上手い」
ーー外国人選手にも対抗できるくらいのフィジカルを持っている?
「パワーはいけると思います。ただグラウンドになるとハニはチョークが上手いので。分かりやすく見どころを言うと、廣田選手はいかに寝技に持ち込まれずに打撃で戦うか、ハニはいかに打撃を受けずに寝技に持ち込むかというところでしょうね」
ーー福田力(GRABAKA)vsブラッド・タバレス(アメリカ)戦はどうですか?
「タバレスはTUF(ジ・アルティメット・ファイター=UFCファイターを育成するドキュメント番組)で見て、タフな選手だなと思いました。でもTUF出身の選手はレベルが図りかねるんですよね。本戦に出てコロッと負けたりすることが多いので。今のUFCは大会が多すぎて初期のTUFよりもレベルが下がっているように見えます」
ーー粗製乱造されているということですか?
「そこまでは言いませんが、アメリカ人の友人も“今のUFCはそれが問題だ”と言っていました。TUFでは目立っていたのに本戦では通用しない選手が多くなってきた、と。でもタバレスは1度しか負けていないし、戦績もいいので期待されている若手だと思われます。福田選手もフィジカルは強いので、そこでどう行くか」
ーー福田選手は今回、相当厳しい試合が予想される?
「UFCはいつも厳しいです。ラクな試合なんてありませんよ。福田選手の強みはフィジカルですし、タバレスもフィジカルは強いのでケージレスリング+打撃のアメリカンスタイルな試合になるんじゃないですか」
ーーケージレスリングについての説明をお願いします。
「ケージ(金網)を背負わないように戦ったり、相手をケージに追い詰めたりすることです。リングと違って四方のコーナーへ追い込まれるわけではなく、八角形で円に近いので回り込むことも出来ます。要するにケージの壁をどう上手く使うかというレスリングですね」
ーー福田選手はUFC参戦前からUFC向きのファイターだと言われていましたが、実際4戦を終えた今どう思われますか?
「結果は出していますし(2勝2敗)、負けた試合もおかしい判定だったことがありますからね。
彼の凄いところは外国人選手を相手にフィジカル負けしないところです。岡見選手もそうですがミドル級は、外国人と戦った時にパワー差が出て来る階級なんです。しかし、彼らはパワー負けしないところが凄い」
ーー福田選手は岡見選手の域にまで達すると思いますか?
「スタイルが全然違いますし、安定感で言ったら岡見選手にはまだかなわないでしょう。UFCでのキャリアが違いすぎます。岡見選手はUFCでの戦い方を熟知していますし、どんなにブーイングを浴びても自分の任務を遂行出来るところがあります。福田選手もそうだとは思いますが、岡見選手の域に達することが出来るかどうかは現時点では分からないですね」
ーー福田選手が勝つためにはどうすればいいでしょうか?
「圧力を掛けて打撃を当てることと、ただのキックボクシングではなくテイクダウンを混ぜながらポイントを取ってもらいたいなと思います。打撃で倒す可能性もあるとは思います」
ーー次に水垣偉弥(シューティングジム八景)vsブライアン・キャラウェイ(アメリカ)戦はどうでしょうか?
「ブライアンの勝利はほとんどバックチョーク(スリーパーホールド)によるものですね。この試合も打撃vs寝技になるのではないでしょうか。水垣選手はキックボクシングスタイルから相手を寝かせてパウンドを落としていくと思うので、ブライアンはそれに対して下からの三角絞めなどを仕掛けてくるでしょう。
水垣選手はスタンドで主導権を握り、寝技になってもグラップリングをさばきながらパウンドを打ち込んでいければいいと思います。水垣選手の持ち味はパウンドですからね」
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