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三階級制覇・武尊の最大の武器は“はったり”やりきる強さ=2018年3月ベストファイターインタビュー

 毎月イーファイトが取材した大会の中から決める格闘技月間ベストファイター賞。2018年3月のベストファイターは、3月21日(水・祝)さいたまスーパーアリーナ・メインアリーナにて開催された『K-1 WORLD GP 2018 JAPAN ~K’FESTA.1~』で、第4代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント優勝を飾りK-1史上初の三階級制覇に成功した武尊に決定!(2018年4月18日UP)

PROFILE

武尊(たける)
1991年7月29日、鳥取県米子市出身
身長168㎝
第4代K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王者
初代K-1 WORLD GPフェザー級王者
初代K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級王者
K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST所属
※詳細は選手プロフィールへ

選考理由
1、「3勝2KOでトーナメント優勝」
2、「K-1史上初の三階級制覇を達成」
3、「連勝記録を29に伸ばした」

選考委員
格闘技雑誌Fight&Lifeとイーファイトの全スタッフ

 受賞された武尊選手には、ゴールドジムより以下の賞品(プロカルシウム 300粒 1個、マルチビタミン&ミネラル 1個、アルティメットリカバリー ブラックマカ&テストフェン+α 240粒 1個)と、イーファイトより記念の盾が贈られます。

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贈呈:ゴールドジム

ベストファイター記念インタビュー
「例えはったりでもそれをやりきれば強さに変わる」

■武尊の決意「この状況をよくするためにはこれしかない」

「新生K-1史上最大のビッグマッチ」として3月21日にさいたまスーパーアリーナ・メインアリーナで開催された『K-1 WORLD GP 2018 JAPAN ~K’FESTA.1~』は、15,000人超満員札止め(主催者発表)となった。

 6階級のタイトルマッチを含めて全24試合が行われ、現在のK-1を代表する選手たちが総出場。それぞれ観客を魅了したが、大会を締めくくるメインイベントで勝者として最後に手を上げられ、この日一番の歓声を浴びたのは、やはり“エース”武尊だった。

 今大会は最初から波乱含みだった。当初、武尊は大会のメインイベントでK-1 WORLD GPスーパー・フェザー級タイトルマッチとして、王者の大雅に挑戦することが決まっていたが、大雅の所属ジムとK-1の契約トラブルにより大雅の出場が取り消し。代わって、空位となったK-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王座を争う王座決定トーナメントに出場することに。

 武尊は元々スーパー・バンタム級(-55.0kg)で、この時点ではフェザー級(-57.5kg)王者。そこからさらに上のスーパー・フェザー級(-60.0kg)に挑むということで、体格差やパワー差が不安視されていた。しかも、1試合ではなく優勝して王座に就くには1日3試合を戦わなければならず、武尊以外は全員が元々スーパー・フェザー級。武尊はこれまで2度のワンデートーナメントを経験していたが、今回が最も過酷なトーナメントになることを覚悟していた。

 そこへさらに負荷がかかったのは、1回戦の相手がISKA世界スーパー・フェザー級王者スタウロス・エグザコスティディス(30=ギリシャ)になったことだ。スタウロスは昨年9月大会に初来日し、大雅からパンチで3度のダウンを奪いKO勝ちしている。

一番の強敵と見ていたスタウロス(左)を1回戦の相手に指名

 しかし、実はスタウロスを1回戦の相手に選んだのは武尊自身だったと試合後に本人が明かした。トーナメントで一番の強敵になると目していた相手をなぜ1回戦の相手に選んだのだろうか。

「今回はリスクを背負わないといけない大会でした。カードが変わった面でもお客さんの期待を一度裏切ってしまっているので、それを取り返すには自分がリスクを背負った戦いをしないとお客さんは満足してくれないだろうなという考えがあったんです。前王者に勝っているスタウロスと1回戦でやるのは、この状況をよくするためにはこれしかないって感じでした」と武尊。

 K-1を背負う気持ちから、観客を納得させるために選んだリスクのある道だったが、もうひとつの理由もあった。それは、K-1の大先輩である魔裟斗が、かつて当時最強と目されていたブアカーオをあえてトーナメント1回戦の相手に指名し、これを打ち破ったことだ。

「トーナメントではあえて厳しいところに行った方がいい、と魔裟斗さんも言っていたので。その方がお客さんも満足するし、2つの意味でスタウロス戦はやりたかったです」

 その1回戦のスタウロス戦で、武尊はパンチを被弾しながらも全く怯まず前へ出続けて攻撃をまとめた。圧力をかけ、蹴りとパンチを巧みに使い分けてスタウロスを下がらせ、最終ラウンド残り10秒ではダメ押しのラッシュでスタウロスをダウン寸前まで追い込み、判定勝ちで初戦を突破。

 勢いに乗った武尊は準決勝でKrush -60kg王者・郷州征宜を1R2分24秒でKO、決勝では第3代RISEスーパー・フェザー級王者で、昨年11月にはスタウロスから勝利を収めている小宮山工介を3R2分2秒でKOに仕留めて見せたのである。

準決勝ではKrush -60kg王者・郷州を1R2分24秒でKO

「パワーや身体のデカさは向こうの方があるとは思ったんですが、全部気持ちでどうにかなると思っているのでメンタルで持って行った感じがあります。ある意味“はったり”というか。戦っている時に気持ちの探り合いのようなものがあるんですが、俺の方がパワーがあるぞ、フィジカルがあるぞってはったりでずっとプレッシャーをかけ続けていて、向こうにそれを警戒させてこいつプレッシャーが強いな、パワーがあるなと思わせることが出来たのかなって思います。

 試合中はそういう感覚がありました。僕はフェザー級から上げてきた選手なので、向こうは多分自分の方がパワーがあると思ってやって来るんですけれど、それ以上にこっちの方がパワーがあるぞという気持ちを出してやろうと決めていたので、それは意識してやっていました」

 この“はったり”が今回の大きな勝因のひとつだと武尊は明かした。

「恐怖心は両方にあるので、それを超えていくメンタルの強さというか。僕は格闘技はメンタルが9割だと思っています。例えはったりでもそれをやりきれば強さに変わると思っているんです。いつも以上にプレッシャーをかけ続けることを意識してやっていて、かけられる方はもちろん疲れるんですが、かける方も疲れるんです。でもそこは我慢比べというか。プレッシャーは凄くよくかけられていたので、上手くいったと思いました」

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