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第13回 山内裕太郎、地味ながら魔裟斗に次ぐ世界クラス!?の巻

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■地味=非常に堅実で理詰めな攻め

 2006年度の全日本キックボクシング連盟 MVP山内裕 太郎。 現在6連勝(4KO)と、最近のキック界においてもっか絶好調◎選手である。見た目は派手さが無く、どちらと言えば地味な部類に入る戦い方をする選手だ が、裏を返せば非常に堅実で理詰めな攻めをするといえる。

 山内の連勝の根源、それはズバリ「長身を利した小さなステップワーク」と私は分析する。

  国内のウェルター級では、180cmと長身・大型の部類に入り、体型・体力的にはムエタイスタイルが妥当ではあるのだが、この山内はラウンド間全てにおい て踵の上下動を巧みに利用したステップワークを用いる「旧オランダ式スタイル」の戦いを実践している。体のスプリング作用を存分に活用した、従来の日本人 にはない戦いをするのである。

 外国人に比べて脚力や柔軟性に劣る日本人では、階級が上がれば上がるほど、上背が高くなればなるほどステップワーク等を使えない。今迄の日本人選手を観る限り175cm以下、または70kg以下くらいまでの選手がステップを主とする戦いの肉体的限界ではないだろうか。

 しかし、そんな限界をこの山内は簡単に、当たり前のように打ち破っている。

 素人目にはステップ主体の戦いは、容易で誰にでも出来るものだと思われがちだが、シンプルかつ自然に見えるものこそ試合で実践するのが難しく、多大な力・技を秘めているものなのである。

 山内は絶えず小さくステップを踏んでいるため、タイ式の様 に後重心(アップライト)になることはなく、前足5.5:後ろ足4.5くらいの重心位置を維持し、左前膝が柔らかく前にせり出している。(※この左膝の前 へのせり出しは古武道では非常に重要な秘訣として扱われている)

 その為、パンチを打つ際の動作(パンチの際の重心移動)がタイ式のアップライトからに比べ、0.3秒ほど速い。しかも実に柔らかく自然で予備動作が無く、180cmという打点の高さからパンチを打ってくるため相手にとって非常に見えにくい(悟りにくい)パンチとなる。

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