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 5月23・24日(土・日)大阪府立体育会館で開催された全日本フルコンタクト空手道連盟主催『第2回全日本フルコンタクト空手道選手権大会』に、元WBCムエタイ日本フェザー級王者・秋元皓貴が参戦。キックで19勝(10KO)無敗の戦績を残し、2年前に忽然と姿を消した秋元は、空手家として格闘技界にカムバック。台風の目となって旋風を巻き起こし、準優勝を収めた。空手家・秋元が今後目指すものとは?(取材日:5月25日)


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PROFILE

秋元皓貴(あきもと・ひろき)
1992年8月31日、愛知県出身
身長170cm、体重64kg
全日本実戦空手道連盟 日本空手道七州会所属
※詳細は選手名鑑へ→

■第1章 「準優勝でよかった」その理由は…?

ーー素晴らしい戦いぶりでしたね。ご自分では今回の準優勝という結果についてどう思われていますか?

「大会当日は優勝しか狙っていなかったので、結果は凄く悔しいという想いでした。でも1日経って考えてみると、準優勝でよかった、との想いもあります」

ーーそれはどういうことでしょうか?

「キックボクシングから真剣に空手に切り替えることにしてから、まだ9カ月くらいなんです。まだ1年経っていない中で、本当に日本で一番大きい大会で優勝するのは自分にはまだ早かったと思うんですね。ここでしっかりと空手の厳しさを教えてもらえました。

 1回戦負けや2日目に残ることが出来なかったなら、自分に足りないものが多かったということですが、決勝戦まで行ってしっかりと自分の出すべきものを出した上で負けたのは自分にとって正解だったんじゃないかって思います」

ーーダメージはどうですか?

「足は元々怪我をしていたのでそこを抜きにしたら、2日間で6試合やったので身体はだいぶボロボロです(笑)。キックのダメージとはまた種類が違いますね」

ーー大会前から足を痛めていたのですか?

「はい。大会前の練習で怪我をしてしまいまして、蹴りはほとんど練習出来ませんでした。ただ、試合当日になって凄く調子がよかったので、もしかしたら蹴りも出せるかなと思ってやってみたら、けっこう使えましたね。大会前は突きをメインに練習していたのですが、それが試合では上手くハマってくれなかったので、蹴りにすがるしかなかったというのもありますね」

ーーそんなことを微塵も感じさせない戦いぶりでしたね。昨年11月、『第6回JKJO全日本空手道選手権大会』で空手界に復帰されて(軽量級3位)、今大会までにどのような部分を修正されてきたのですか?

「昨年の試合では反則で注意をもらったんですが、今回はほとんど注意をもらわなかったんです。今大会でも注意をもらう選手がたくさんいた中で、自分がもらわなかったのは前回の反省を深く考えて、どういう動きをすれば注意が取られにくいのか、自分が反則をせずにしっかり戦うことが出来るのかを考えてきた成果です。

 それをしっかりと実行出来たことは良かったと思いますね。どの選手も一生懸命に練習してきて、反則を取られて負けるのは凄く悔しいことだと思うので、それがなかったのは自分にとって良かったです」

ーー前回はどんな反則を?

「抱え込み、ヒザを蹴る時に手が多少相手に触れてしまってのつかみ、それと押しでした」

ーーそのヒザ蹴りですが、今回ノーモーションでの素早いヒザ蹴りが印象に残りました。

「ヒザ蹴り自体はキックボクシング時代から得意です。僕の先生である成田師範から教わったヒザ蹴りを、何の迷いも無く出しました。ムエタイのテンカオともまた違います。当てているポイントも違うんですよ。つかみで反則を取られないように、気をつけて練習してきました」

ーー大会を振り返ると、初日の2回戦(1回戦はシード)で極真館全日本軽量級を制したこともある髙橋琢馬選手と再延長戦まで戦いました。

「初戦はまだ慣れていなかった部分がありました。空手に対応出来ていなかったんですが、再延長までやったことで対応出来るようになってきました」

ーー2日目は準々決勝から厳しい相手との試合が続きましたね。

「本当に大変でした(笑)。僕はディフェンスが得意な方だと思っているんですが、ベスト8に残るような選手はしっかりと当ててくるし、当てさせないと自分の攻撃を当てることが出来ないような選手ばかりでしたね。層の厚さ、レベルの高さを凄く感じました」

ーー準々決勝では、昨年度の王者で空手では4年間無敗の大石航輝との対戦になりました。しかも、大石選手にはJKJO全日本大会で敗れています。

「でも、確実に勝てると考えていました。勝算はあったんです。前回やった時に“次は勝てる”という確信があったので、それを焦らずに実行しました」

ーーこの試合では胸へのヒジ打ちを出しましたよね。空手では横のヒジ打ちはまだ見ますが、縦ヒジは珍しかったです。

「やりましたね。あれは、初日の4回戦で拳を痛めてしまい、実は突きが思うように打てなかったのでヒジにチェンジしたんです」

ーーこの試合も再延長までもつれ込んでの勝利、続く準決勝での昨年3位・松本充史選手との試合も再延長まで行きました。

「松本選手は一番自分と噛み合う相手でした。アグレッシブな選手で、自分の距離を保ってしっかり打ち込んでくる選手だったので。僕も自分の距離を保って打ち込みたいタイプだから、試合をやっていてとても楽しかったです。周りの人たちからは松本戦が一番のヤマ場になるだろう、と言われていました」 ・・・

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