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■第1章 そろそろ私たちの世代が壁を乗り越えていかなければいけない
――大会直前ですが、コンディションはいかがですか?
「万全の状態です。今年3月に大学を卒業して4月から就職したのですが、3月いっぱいまでは充分稽古に時間を割けたので、今回は稽古の量的にも自信があります。試合までにやるべきことは全てやったと思っていますし、あとは静かに試合当日を待っている状況です」
――4月から就職されたということですが、環境の変化に戸惑いなどはありませんか?
「いえ、空手のことは会社にもお話して応援していただいていますし、新しい環境で今は良い意味で刺激を受けています」
――トーナメント表をご覧になっての感想は?
「軽量級は31名出場するのですが、全体的に初めて見る選手の名前が多いという印象を受けました。全く知らない選手は当然警戒しなければいけないので、楽しみ半分、警戒心も半分というところです。
順当に勝ち上がれば準決勝でエレナ(ヴォロビヨワ=昨年優勝者)選手と対戦するので、そこが大きな山になるかなと思っています。エレナ選手とは2010年のオールアメリカン大会で一度対戦しているのですが、当時は攻撃の強さや気持ちの強さに圧倒される形で敗れてしまい、とても悔しい思いをしたので、今回は絶対に勝って決勝戦に勝ち上がりたいと思っています」
――エレナ選手は20歳で出場した2005年に軽量級で優勝して以来、今でもトップの実力を誇っています。対策や作戦などはありますか。
「もちろん戦い方も分かっていますし、対策も考えています。エレナ選手は確かに強いですが、そろそろ私たちの世代がその壁を乗り越えていかなければいけない時期に来ていると思うので、試合では強気に向かっていって、必ず勝ちたいと思います」
――目標は当然優勝ですね。
「はい、反対のブロックからは太田さん(菜月=昨年準優勝者)に勝ち上がってきてほしいと思っています。太田さんとは年齢も学年も同じで仲もいいのですが、過去に3度対戦していて私の1勝2敗なので、決勝で戦って勝ちたいですね」
――太田選手はライバル的な存在ですか?
「組手のタイプは正反対と言っていいくらい違うのですが、試合をしていて楽しいという気持ちになれるんですね。負ければ悔しいという気持ちも当然あるんですが、大会が終わっていつも一番印象に残っているのは太田さんとの試合ですし、負けて借りを返したい思いとは別の感覚でまた試合をしたいという気持ちになります。
ですから、二人で決勝に勝ち上がって、今回は日本選手同士で優勝争いをして、応援してくださる皆さんや指導していただいた神尾(伸幸)師範、日本代表の小田(勝幸)監督や竹石(修)副監督に安心して試合を観てもらいたいと思います」
――日本代表の話が出ましたが、2月に女子の強化合宿を行ったとか?
「日本のトップ選手と、ユース世代のトップ選手が小田監督の地元の広島に集まって強化合宿を行いました。稽古自体は厳しくて苦しいメニューもありましたが、小田監督、竹石副監督の指導のおかげで、とてもいい雰囲気で楽しく充実した内容でした。自分自身が、またそこでも一回り成長できたと思います」
――今大会でもユース選手やユース出身の若い選手が何名か出場しています。下の世代から追われているという感覚はありますか?
「そうですね。うかうかしていられないという気持ちと、後輩たちが育ってきているという嬉しい気持ちもあって、良い意味で刺激になって一緒に競い合っていけたらいいなと思っています」
――追い越されるかもという焦りは?
「まだそこまでの感覚はないですね。ただ、強い先輩としてあり続けたいので、常に気持ちを引き締めようという思いはあります」
――昨年は4月に世界女子大会軽量級3位、8月に全日本無差別で準優勝でした。
「全日本無差別ではチャンピオンの田崎佑麻選手と対戦して敗れたのですが、フィジカルの強さと、試合中で(攻めて)行くべきときには必ず行ってしっかり決めるという気持ちの強さを感じました。これが全日本や世界で勝ち続けている選手の強さなんだなと改めて勉強になりましたね。
それからは普段の稽古で苦しい場面があっても、田崎選手ならここで気合いを入れてくるだろうとか、太田さんならもっと動くだろうということを常に意識しながら稽古しています」
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